中野島ロボット

小さなロボットの自作記事を書いています。

週刊中ロボ203 Rostock Nano用4010ターボファンクーラー 3Dモデル公開

はじめに
Rostock Nano用4010ターボファンの3DモデルをThngivrersに公開しました。

www.thingiverse.com

モデリング
3Dモデルの作成は、Microsoft 3D Builder でモデリングしました。
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コンセプト
このクーラの特徴は、45度にファンを傾けていることで、空気を曲げずに3Dプリンタのノズルめがけて直接風が当たるようにしています。空気は曲げると抵抗になるので、できるだけ真っすぐ当てたかったのでターボファンを採用しました。

組立
①M2×10mmのネジ二本で4010ターボファンとマウントを固定します。
②ノズルは耐熱カプトンテープでファンと固定します。
➂M2×15mmのネジで、Rostock Nano の ヘッドの前面の穴に固定します。
④ ファンのケーブルを繋ぎ変えます。
組み立てが完了すると、ホットエンドを避けてノズルの先端のみ冷却する感じになります。

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これまでのモデルは、狭い所で空気を90度曲げていたので、なかなか綺麗に風を流せていませんでした。

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左側が前モデルですが、それに比べると部品の形状もシンプルで構造も簡単なので、部品印刷時間も短く失敗も少ないと思います。

確認
テストモデルを印刷して能力を確認してみました。
横から見ると綺麗にホットエンドを避けて、ノズルの先端にジャストミートといった感じです。

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印刷した結果はなかなか良さそうです。

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風の当たり難い背中側もまずまずです。背中に少し模様が出てしまうのは、フィラメントが透けているのと、直線が苦手なデルタ型プリンタの特徴なので、これは仕方がないのですが、気になるほどではありません。

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柔らかく糸を引きやすいPETGフィラメントでも、垂れやすい耳の下の部分も綺麗に造形できています。満足できる印刷です。

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両端は前のクーラで印刷したものですが、このロボットは手の下のサポートが冷却が足りないと難しいのですが、真ん中の新しいクーラーでは左右の手の下のサポートも綺麗に印刷できています。

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印刷サイズも向上
前モデルだとポスト(3Dプリンタの金属製の柱)にクーラが当たってしまい、造形できるモデルの最大直径が120mmまででした。このクーラーにすると130mmでもポストに当たらずに印刷できるようになります。
これは直径65mmの円をテスト印刷させてみた所です。

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もともと RostockNanoは、最大造形サイズは130mmを目指して開発していたのですが、どうしてもクーラーの位置が問題になっていました。
これでもう少し大きなものも印刷できるようになり、設計時の本来の能力が発揮できます
ノズルを新型のステンレス製に交換したことで、高さ方向のビルドボリュームが5mm減っていたので、これで取り戻したことになります。

おわりに
こんな風に自作の3Dプリンタは、少しづつ自分でパワーアップできるのが楽しい所です。Rostock Nano のバワーアップもビルドシートの交換、ノズル交換、クーラー交換と一通り完了したので、さあ溜まっているロボットを作り始めよう。

おしまい

 

購入品情報
まずは幻の4010ターボファンを入手することが必要です。

フィラメントは耐熱性の高いPETGが必要です。PLAではヘッドの熱で溶けてしまいます。

カプトンテープでなくても接着剤で止めても大丈夫ですが、さらに良い形状のノズルができたら交換するために、テープ止めにしました。それにカプトンテープを貼っておくと、溶けたフィラメントがノズルに付着することがなくなります。