少し前に買っていたPLAカーボンフィラメントの評価を行います。自作の3Dプリンタ Rostock Nanoで確認しています。
つづき
カーボン繊維風のモデルを印刷しながら、印刷設定を調整してみます。
このモデルの標準は、0.5mmノズルで、0.1mm積層で、印刷速度は10mm/sec以下だそうですが、これだと5cm✖5cmのサイズでも、30分以上かかるようです。
なお、PETGカーボンフィラメントの印刷したときの結果はここにあります。
この時のPETGの設定は、
温度 225℃
品質 0.1mm
速度 30mm/sec
インフィル 100%
でした。
今回のPLAの設定も温度以外はこの辺りから始めてみます。
温度 205℃
品質 0.1mm
速度 30mm/sec
インフィル 0%
(!)インフィルはこのモデルだと外皮厚より積層厚が薄いので、100%でも0%でも同じになります。
ここから条件を変えて印刷して見て行きます。
テスト開始
0.5mmのノズルを搭載しているデルタ型プリンタ のRostockNano 二号機で、このモデルの推奨設定で印刷してみましたが、スカスカになってしまい綺麗に印刷できませんでした。よく見るとフィラメントが細かく切れており、印刷速度がこれだけ遅いと吐出量が少なくなり、まともに印刷できないようです。もう少し速度を上げて、ヘッドからのフィラメントの吐出量を増やす等、印刷の設定条件を変えながら、綺麗に印刷できる設定を探って行きます。
温度
このフィラメントの推奨温度は、210℃~240℃ですが、実際にはヘッドの温度と温度計の指示値には違いがあるので、205℃から印刷してみます。
205℃ スカスカです。
210℃ スカスカです。
225℃ まあまあです。
230℃ まあまあですが、225℃より少し スカスカしています。
240℃ プチプチ音がして、少し焦げ臭いです。スカスカしています。
このPLAカーボンフィラメントは、225℃から230℃くらいが良さそうです。
厚み
0.1mmだと薄すぎて、どうしてもムラになるので、綺麗にできる厚みを探してみます。 50mm✖50mmの印刷物を指でまげて見ます。
0.1mm まあまあです。
ところどころ薄い部分があります。180度くらい良く曲がります。
0.15mm 造形はだいぶ良くなりました。
まだ90度くらいなら曲げられます。
0.2mm 隙間がなくなりました。
まだやわらかいので、なんとか曲げられますが30度くらいです
0.25mm だいぶかたくなりました。
少ししなる程度です。そう5度くらい
0.3mm かなり硬いです。
ほとんどしなりません。
0.15mmならこのくらいまで曲がります。
モデルにもよると思いますが、0.2mm程度の厚みが安定するようです。
速度
速度が遅いとうまく印刷できません。炭素繊維が入っているので、フィラメントに粘りがあり、速度が遅いのが良くないのかもしれません。速度を変えて印刷してみます。
30mm/sec ぶつぶつ切れています。
40mm/sec 少しぶつぶつ切れています。
50mm/sec きれいです。
75mm/sec とてもきれいです。
100mm/sec とてもきれいです。
このPLAカーボンフィラメントの場合は、ある程度速度をつけて、吐出量を多くした方が綺麗に印刷できるようです。
最終的には
Z軸をスライサーで2倍にして、以下の設定が良さそうです。
温度 225℃
品質 0.20mm
速度 100mm/sec
インフィル 0%
印刷結果
この設定なら、綺麗に印刷できます。印刷時間も短く出来ます。
0.20mmだと、印刷後のカーボン布の柔軟性はなくなりますが、直線的な外装に使う予定なので、この程度で良いかもしれません。
これなら隙間も殆ど無く、 高価なカーボンフィラメントの使用量も抑えられるので、ロボットの外装の軽量化もできると思います。
つづく
購入品情報
3000円~4000円の範囲のPLAカーボンフィラメントの選択肢が増えましたね。