中野島ロボット

小さなロボットの自作記事を書いています。

週刊中ロボ312 ASAフィラメントを試す

はじめに
久しぶりに3Dプリンター用の新型フィラメントを購入しました。ASAと言う耐候性に優れたフィラメントなんだそうです。ABSと同じような感じで使えて、紫外線に強く屋外で使用できるそうです。Amazonセールで安くなっていたので使ってみます。

到着
Kexcelledと言う今回初めて使うブランドです。色々な安価なフィラメントを提供しているようです。

普通の真空包装でジッパーではありませんでした。

ラベルも日本語です。240℃から260℃なので、PETGやABSより少し高温なフィラメントのようです。

スプール内径は54㎜でした。スプール外径は200㎜で、小さくまかれています。

巻きは精密コイル巻きではありませんがまずまず揃っていて、色はきれいです。フィラメントは最近多いギザギザタイプでもデコボコタイプでもないツルツルタイプで、ぱっと見ちょっと細いかなと思いました。

ノギスで計ってみると断面が少し楕円形で、長径が1.75㎜で短径が1.72㎜でした。短径は公差ギリギリと言った感じです。

確認
今回作るものはウィンドサーフィンの部品で、ジョイントパイプと言う部品のパイプ部分の先に取り付ける先端のプラグです。
使い方はABSと同じで良いそうですが、そうなるとヒートベッドの無いRostock Nanoではうまく定着しないかもしれません。(超高速モードで印刷すれば形状によっては行けるかもしれませんが)
と言うことで、ABSが超得意なidbox!で印刷してみます。
ベットは60℃、ノズルの設定温度は245℃、少し細めだったのでフィラメント径1.72㎜、冷却なし、速度50㎜で印刷してみます。

初回は失敗しましたが、スティックのりを塗り直して印刷に成功しました。定着はABSより少し悪いかなといった所です。反りもABSより少ない感じです。

造形はABSと変わらない感じです。特筆すべきはあまり匂わないといった所です。

強度確認
今度は少し力のかかる部品を印刷してみました。印刷は変わらずきれいです。

ちょっと力をかけるとバキバキに割れてしまいました。ASAは層間が弱いとのことでしたがちょっと弱すぎです。ヘッドの温度をidbox!の限界の255℃まで上げ印刷してみます。

少しは強くなりましたが、やはりちょっと力をかけるとごらんのとおりバキバキです。

おわりに
仕上がりも良く匂いもあまりしないので、期待していましたが中野島ロボットの持っている3Dプリンタでは強度が全くでませんでした。やはり280℃対応の3Dプリンタでないと使いこなすのは難しいのかもしれません。
層間以外の特性はABSフィラメントを超えていると思いますが、層間の弱さは今まで使ったフィラメントで最弱の部類です。耐候性が高いということで屋外で使う家庭菜園の部品やキャンプ用品、ウィンドサーフィンの部品に使えるのではと期待していましたが、3Dプリンターを高温対応に改造するまではお蔵入りです。(返品したいくらいです。)
おしまい

購入品情報
フィラメントの測定には、0.01㎜単位のノギスが必要です。中野島ロボットは新潟精機のデジタルノギスを使っています。

ASAフィラメントは他のメーカからも沢山でていてAmazonの評価も高いのですが、印刷条件はやはり260℃以上の高温が必要なようです。