中野島ロボット

小さなロボットの自作記事を書いています。

idbox!からRostockを作る Day2 RostockとReprapとは?

はじめに

Rostockとはデルタ型プリンターのご先祖で、Reprapと言う3Dプリンターを自作するためのプロジェクトから開発された機体の名称です。

3Dプリンターがこれだけ安く沢山出回ったのは、特許が切れて3Dプリンタ-を自作した人たちが、設計情報をインターネット上に公開してくれたおかげです。

その一つが、Reprapと言うプロジェクトで、ここからいろいろな方式の3Dプリンターが開発されたり、発売されたりするようになりました。

その一つが、私が最初に購入した A3 であり、ディアゴスチーニのマイ3Dプリンターのidbox!なのです。

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Reprapプロジェクトからは色々な方式の3Dプリンターが生まれているのですが、このブログで制作方法を紹介するものは、デルタ型のRostockという機種をアレンジしたものになります。

オープンソースのプロジェクトは、設計情報を利用したら、設計情報を公開するお約束になっているので、改修した情報はこのブログで公開して行きます。)

3Dプリンターには、ヘッドとベッドの動かし方で色々なタイプがあり、、デルタ型と言うのは柱を三角形に配置したタイプで、その他にも、A3はH型、idbox!はキューブ型と呼ばれていて、それぞれ特徴があります。

デルタ型の特徴は、造形物を固定してヘッドだけが3次元に動く構造のために円筒形や背の高いもの、薄いものを印刷するのを得意としていて、造形物は優しいタッチになります。

また、軽いヘッドだけをベルトで駆動しているので、他の方式に比べて音が静かです。

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他の方式と比べると、調整が少し難しく、印刷の速度が上げにくく、四角いものや真っすぐなものを少し苦手としています。(この辺りをご先祖様から改良しています。)

H型の特徴は、ヘッドはX軸方向(横)に動き、ベッドはY軸方向(奥行)に動き、ヘッドとX軸を乗せた部分がZ軸方向(縦)に動く市販品で一番多いタイプです。造形物をのせたまま、ベッドをガシガシ動かすので、ベッドとヘッドのクリアランス調整がシビアになります。一度調整してしまう、そうは狂うことがないので、大型の造形物や直角の造形物をきれいに印刷してくれます。

軸の動かし方がそれぞれ別の方式なので、細かいものや丸いものなどは少し苦手としています。

キューブ型の特徴は、X軸とY軸を交差させた中央にヘッドを置き、ヘッドの水平面を固定し、Z軸を下げて行くことで造形します。

X軸とY軸は基本的には同じ方式で動かし、ヘッドの移動平面が固定されるので、きれいな四角形を精度よく

作ることができます。また造形物は下に下がって行くだけなので小さなものや薄い物でもきれいに印刷できます。基本的にはX-Y軸の構造は、工作機械と同じX-Yガントリー式で安定しているはずなのですが、Z軸の作りが甘いと、X-Y軸にも影響が出てしまいます。また、印刷の最初にヘッドとベッドの間隔が狭いので、フィラメント屑などが取り難く、最初の一層目での造形を失敗する場合が多くなります。

(デルタ型ヘッドがちょこちょこ動くので、何か生物的で造形中見ていて飽きないです。)

メモ:

 ・3D プリンターは、特許が切れてから沢山作られ始めた。

 ・設計情報をインターネット上に公開してくれたので、皆が自作できるようになった。

 ・造形物とヘッドの動かし方で色々な型(機種)がある。

 ・デルタ型は、静かで円筒系が得意、調整が難しく四角いものが苦手。

用語集:

 Reprapオープンソースの3Dプリンターを開発するプロジェクト

 Rostock:デルタ型の3Dプリンタのご先祖様