はじめに
FFF方式の3Dプリンタのノズルをステンレス製に交換してみました。ステンレス製ノズルは硬く、カーボンフィラメントを使用しても擦り減らないそうなので気になっていました。またデルタプリンタについているMK8ノズルは先が平で、溶けたフィラメントが付きやすいので、そろそろ交換してみようと思っていました。
購入品
購入したのはこの製品です。
ステンレス製のノズルは耐摩耗性が高く、堅く変形しにくいそうですが、熱伝導率が真鍮製に比べて低く造形が安定しないそうです。これはノズルの先端のみがステンレス製になっており、ステンレスノズルの欠点が改良されています。
ノズルは先端が細くて角度がある方が、溶けて余ったフィラメントがヒートヘッドに付着しにくいので、造形が安定するのですが、これくらい細くてノズルの角度が大きいと、付着予防はかなり期待できそうです。
ただし、ノズルの全体が長くなるので、3Dプリンタの最大造形高さは少し減ってしまうでしょう。また冷却も見直す必要があるかもしれません。
交換手順
3Dプリンタのヘッドを温めて、フィラメントを抜いてヘッドの中に残っている溶けたフィラメントを押し出してから、7mmのスパナでノズルを緩めて抜きます。そして購入した新しいノズルを取り付けて、ヘッドを温めてしっかりと固定します。
ヘッドが冷えた状態で固定しても、中に少しフィラメントが残っているので、温めると隙間が開いてしまい、溶けたフィラメントが漏れ出て来ることがあります。なので、しっかり加温した状態でノズルの固定を行います。
調整
ノズルが長くなった分、最大造形高さが変わってしまうのですが、ファームウェアを修正しました。元のサイズに対して5mm短くなるように修正し、あとはエンドストップの調整ネジで微調整しました。
デルタ型のRostockNanoの場合は、三か所ある調整ネジの高さは殆ど一緒のはずなんですが、少しバランスが崩れました。ノズルが長くなって少し斜めになっているのかもしれません。
確認
ヘッドの高さを均等になるように調整した後に、PETGフィラメントでサンプルを印刷して確認です。
特に問題なく造形できました。
ノズルの角度が少ないデルタ型プリンタのRostockNanoでは余ったフィラメントがヘッドに付着しやすく、糸引きの多いPETGフィラメントでは造形が失敗することもあったのですが、この造形結果には満足です。
印刷時の余ったフィラメントのヘッドへの付着も格段に少なくなっています。ノズルには多少付着していますが、ヒーテッドブロックには付着していません。
ノズルの先端が5mm下がったので、冷却ファンの出口をもう少し低くした方が良いかもしれませんが、ノズルが細くなって風通りが良くなったのか、このままでも問題ないようです。冷却ファンはターボファンに換えようと思っているので、その時に合わせて冷却ファンの出口の高さは調整しようと思います。
おわりに
3Dプリンタのノズルも進化しています。ヘッドの高さが変わらないものが出てくれば、ファームウェアの書き換えや再調整も必要なくなるので、今後も進化するかもしれないです。
ファームウェアを書き換えたり、再調整したりする手間はありましたが、造形は特に問題なく、ヒーテッドブロックへのフィラメントの付着も少なくなり、狙った通りの結果になりました。さあ色々溜まっているものを、作り始めよう。
おしまい
購入品情報 高熱伝導率3Dプリンターノズルセット 1400円くらい
Amazonで購入したのは、0.4mmのノズルの5個セットでした。1個単位で買えると良いのにと思いました。またノズルの穴径が違うものがあるので注意して下さい。
なお先端のステンレス部分のみも変えられるとのことですが、まだ売られていません。