中野島ロボット

小さなロボットの自作記事を書いています。

週刊中ロボ269 一軸二足歩行ロボットの研究 3Dモデル公開

つづきに
今週は2足歩行ロボット研究用の二足歩行メカの3Dモデルを3Dモデル共有サイトに公開しました。

個人、学校、ロボット教室等での利用は自由ですので、以下のリンクから無料でダウンロードできるのでぜひ作ってみて下さい。

https://www.thingiverse.com/thing:6498946

www.thingiverse.com

研究成果
このモデルの研究成果をまとめてみます。
・基本的には180°位相の違う回転で両足を動かします。(わざとずらしても面白いですが)
・クランクの軸間距離は10mm(中心軸からは5mm)の円運動を、FRP補強プレートをコンロッドとして使用して疑似直線運動に変換しています。これにより足裏を下に向けています。
・今回は足の長さ(クランク軸から足首までの長さ)をクランクと足が干渉しないように20mmにしています。(もっと長くてしても歩けますが、バランスはとりにくくなります。)
・駆動軸からストッパーまでの距離を稼ぐ(今回は40mm)にしてあるのは、足の角度変化を少なくすることと、コンロッドとの摩擦を少なくするためです。
ストッパーまでの距離がこれより短くなると、足の接地時の角度がきつくなり、安定した歩行が難しくなります。
・ストッパーの幅をM2ネジで調整できるようにしてあります。この幅を広げて、コンロッドの動きを許容すると、ピストン運動の抵抗が少なくなり単三電池一本で動かす場合には有利になります。また重心移動はスムーズになりますが、踏み込んだあとの前後の機体のブレが大きくなり、不安定になるのでバランスを見て調整する必要があります。
・コンロッドの拘束位置は機体の重心に合わせます。このモデルは電池を背負っているので、重心位置に合わせてギアボックスより前寄りの方が安定します。
・安定して歩かせるには足首の角度調整が重要です。3V(正確にはニッケル水素充電池なので2.4V)で速く歩かせる場合は足首の角度を調整して前傾を強くした方が良く、これは静歩行から動歩行への過渡状態にあるためで、より重心を前に持って行く必要があり、ZMPの状態になっていると考えられます。
まとめ
静歩行タイプの二足歩行メカの仕組みは概ね理解できました。今回はタミヤの部品を使うことで、とてもシンプルな3D部品で構成できたと思います。オプションの腕を除けば両足とストッパーの三つしか必要なく、印刷時間も短くなっています。
本当は上側にも軸間10mmのクランク軸を持たせて、足裏を完全に水平で動かせるようにした方が良いのですが、部品点数が増えてしまうので今回は断念しました。
全ての部品を印刷しても30分程度なので、ぜひ3Dプリンタで印刷してみて Thingvers に作レポしてくれると嬉しいです。

つづきに
タミヤの単四電池ボックスが届いたので組付けて、せっかくオプションの腕を付けたので、調整の仕方と遊び方を記事にしたいと思います。

つづく

部品リスト