はじめに
ついに発売が開始された爆速と噂のAnkerの3Dプリンタですが、かっこいいですね。機能も豊富で値段も手ごろなようです。
最近めっきり見無くなりましたが、速いと言えばデルタ型の3Dプリンタで、自作のRostockNano もなかなかのものです。さすがに作ってから大量に印刷しているので、ヘッド部分がかなりガタが来ていますが、試しにAnkerの速度を超えてみようと思いたち、印刷速度チャレンジしてみました。
もし壊れたらidbox!も直ったので、部品をカーボンフィラメントで作り直して修理することもできるしね。
機種
中野島ロボットには稼働状態の3Dプリンタが3台あって、このRostockNanoは精度よりも速度に性能を振った2号機で、一番早く印刷できます。いつもはロボットの試作に使っていて、モデルが完成したら精度の良い、idbox!やRostockNanoの初号機で印刷しています。
ちなみにこのプリンタの3DモデルはThinkgiversで公開しています。
初号機と二号機の違いは、ベアリングの長さを短くして、少し非力なステッピングモーターを使っている事です。ベアリングを短くすると当然抵抗も重量も減り、ヘッドを速く動かすことができます。同じようにステッピングモーターを小さくするとその分軽く動かせます。(小さすぎるとうごかせなくなりますが・・・)
手順
RostockNanoは、ヘッド速度だけなら300mm/Sec出るのですが、もうそうとうヘタっているので今のままではなかなか最後まで造形が上手くいかないと思い、Ankerの印刷時間を目標にしてみます。
設定
モデルは3Dベンシーで印刷設定は積層は0.2mmインフィルは20%としてみます。印刷速度はさすがに250mm/sではまともに造形できそうにないので、時間だけをターゲットにして表面を100mm/sにして、移動とインフィルを250mm/sにしてみました。
印刷予想時間は24分です。この時点では爆速です。
スライサーの設定はノズル温度を高めにしてみました。
フィラメントは透明やマットなフィラメントにすると一見綺麗に見えるのですが、あえて粗の目立つ、シルクPLAにしてみました。シルクPLAは光を良く反射するので凸凹が良く見えます。
印刷
開始するとヘッドの風切り音がフュンフュン言って凄いです。といってもデルタ型は普通の3Dプリンタよりは静かで、そもそもうるさいのは小径のファンの音です。
船体を印刷し終えました。
天井部分に到着です。
無事印刷完了です。
印刷実時間は36分11秒でした。速度だけならAnkerを超えたかな。
造形確認
糸引きの多いシルクPLAにしては、ぱっと見はまずまずです。
拡大すると積層痕が目立ちます。
船首のオーバーハング部分が少しなめているのは、冷却ファンの設定を間違えていて、全開になっていませんでした。
まあこんなものかなと言った感じです。(ロボットの造形には全く使えないレベルですが。)
デッキの一部に穴が開いています。今のRostockNano2号機のエクストルーダーのステッピングモーターはパワーが足りないのですが、秋月電子でパワーのあるステッピングモーターを購入しているのですがまだ交換していません。こういう時には違いが出ると思います。それとももう少しフィラメントのフローを増やした方が良かったか。
この辺はボーデンタイプのチューブでフィラメントを供給するエクストルーダーでは、直動タイプのAnkerにはかなわない部分かもしれません。
おわりに
やはり最新型の3Dプリンタは機能が豊富で、この所下火だった3Dプリンタブームがまた来るといいですね。ただ、CoreXYタイプに比べると、精度は劣っているように見えるし、デルタタイプに比べると速度もそんなに出ないので、Ankerの次のモデルに期待ですかね。(Ankerが作る CoreXYとデルタを見てみたい気がします。)
と言う事で、速度だけならまだまだいけそうな自作3Dプリンタでした。
(速度はまだまだ行けそうだけど、壊れなくてよかった・・・)
おしまい
Amazon情報
Amazonでは高いですね。20万円を超えています。その他の所だと10万円を切るくらいで、国外なら6万円くらいで購入できるようです。
でもよく見ると表示がおかしい。通常のプリンタの5倍高速と言っていますが、印刷時間は70%って計算できないのかな?
フィラメント
この色違いを使っています。今はロボット用にシルバーのRepRapperのこのフィラメントが欲しいのですが、別のメーカの残りがあるので使い終わってからかな。