中野島ロボット

小さなロボットの自作記事を書いています。

週刊中ロボ211 GW マット調フィラメントテスト

つづきに
GW前に購入していたマット調フィラメントのテストを行いました。

初回
ディアゴスティーニの3Dプリンタ― idBox!で印刷してみます。最初はPLAの標準設定で行ってみます。
中野島ロボットのidBox!でのPLAの標準設定は

積層:0.2mm
温度:210℃
速度 :40mm/sec
ヒートベット:なし(室温)
サポート:ブリム 3mm

です。なお壁面と天井は、前回シルクPLAから0.8mmとしています。
なかなかフィラメントがノズルから出てきません。ノズルが詰まったかと思いましたが、結局ブリムは出力されませんでしたが印刷には成功しました。

印刷途中は綺麗です。結果は確かにマット調の仕上りです。

調査
印刷には成功しましたが、よく見るとぼそぼそ感は見て取れます。フィラメントがぼそぼそしていてウッドPLA のようです。
強化PLAほどの反りも糸引きもないので、定着と強度は大丈夫です。
やすりがけも穴あけもPLA程硬くなく、ウッドPLAと同じくらいですが、強度はウッドPLAよりも断然強いです。つまり、ネジがとまります(ここ重要!)

PLAではネジ穴が直ぐに壊れてしまうので、PLA側にはバカ穴を開けて、相対する素材に固定する必要がありましたが、このマット調PLAフィラメントなら大丈夫です。3mmネジなら1mm厚あれば引っ張ってもが抜けない程の強度があります。

調整1
ぼそぼそしたフィラメントは、印刷速度を早くして結果的に押し出しを強くするか、押し出し量を増やすかになります。
強度はありそうなので、まずは、速度を上げてみます。
また、ベッドとの接着は問題ないので、ブリムは無しにしてみます。
速度:50mm/sec
サポート:なし(スカート)
印刷は問題なさそうです。スカートも印刷されています。

表面は少し荒れますが、特に問題はなさそうです。

調整2
フィラメントを 1.72mmとして、印刷温度を下げて印刷してみます。これはちょうどシルクPLAの最終設定と同じで、違いはサポートがないくらいです。
温度を引くしたので表面はしっかりしていますが、スカートが少し切れています。

また、ロボット手の下のサポート部分がうまく造形できていませんが、強度は出ています。

調整3
フィラメントを 1.73mm(公差の下限値)として、印刷温度を205℃、速度を45mmとしてみました。
あまりかわりませんが、これを標準設定としてみます。

角度を変えても、

マット調!

まとめ
最終的な設定は以下のようになりました。

フィラメント径:1.73mm
温度:205℃
速度:45mm/sec
サポート:なし(スカート)

つまり普通のPLA設定でも使えますが、ちょい多め、ちょい低め、ちょい早めの設定が良さそうです。冷却が強力な3Dプリンタなら速度を遅くしても綺麗に仕上がると思います。
色味はちがいますが造形の分かりやすいグレーのPETGフィラメントと比較してみます。左の色の濃い方がPETGフィラメントです。

反射がないぶんマット調PLAフィラメントの方が、造形の細部が綺麗に見えます。
おわりに
良く見ると積層のすじはありますが、マットな質感は木に塗装をした感じになります。また、ネジが止められるのは大きいです。小さなものを印刷すると少し表面がぼそぼそしてしまいますが、少し大きめに印刷して、やすり掛けすれば綺麗に仕上がると思います。これで茶色があれば、使いずらい木質フィラメントはいらないと思います。今回はPLAフィラメントの進化を感じることができました。マット調PLAフィラメントは”買い”です。

おしまい

Amazon情報
今回レポートしたのはマット調4色セットのグレーです。スプールは250gになります。

実質的は200gくらいになるので、もっと欲しくなったら1Kgのこの商品かな。

黒ならこれかな

木調ならこれでしょうか。ライトブランです。