つづきに
いろいろあって結局夏休みの最終日にRaspberri Pi Pico が到着しました。今週はラズパイに接続して動作確認をしてみます。
使い方
まずはデーターシートをチェックします。RPiPicoのデータシートはすごく詳しく、ちゃんと公開されています。
https://datasheets.raspberrypi.org/pico/pico-datasheet.pdf
気になる消費電力
ブート時で約10mA、フル負荷で100mA、最大で450mA、スリープで2mA、昏睡状態(RTCモード)で1.4mAとなっています。
スリープやRTCモードは単位がμAの誤植かなと思いましたがそうでは無いようです。単体として考えるととてもでかいですが、ロボットやRPi4のRTCとして使うには我慢できるレベルになっていて一安心です。
ただ、RPiPicoをスリープモードにしてバッテリバックアップで動かす場合は、 注意が必要です。
参考:
TIの超低消費電力マイコン「MSP430」はレモン電池で動くのか!? | 組込み技術ラボ
今回はコイン型リチウム電池CR2032(公称電圧:3V、公称容量:0.22Ah)を1個使うと仮定します。電池の電力量は次の式で求められます。
(電池の電力量)=(公称容量[Ah])×(公称電圧[V])
よって、CR2032の電力量は次のようになります。
0.22 × 3
= 0.66[Wh]
RPiPicoの消費電力量[を 0.02×3V=0.06[W]とすると、
(稼働時間[h]) = (コイン電池の電力量[Wh]) ÷ (RPiPicoの消費電力量[W])
0.66 ÷ 0.06 = 11 「h」
となるので、コイン電池でのバックアップは無理です。
単4ニッケル水素電池(750mAh)なら15日くらいは持ちそうです。太陽電池で充電して時々動かすようなアプリケーションに使うには、少しこの辺を気にする必要があります。
プログラミング環境の構築
RPi4にUSBケーブルでRPiPicoをつなぐとディスクとしてマウントされフォルダが見えます。
中に INDEX.HTM とINFO_UF2.TXT の2つのファイルが見えます。
INDEX.HTMを開くと、RPi Picoのスタートページに飛びます。
https://www.raspberrypi.org/documentation/rp2040/getting-started/
詳しくはWEBでってことですね。英語だけど。
ツールをRPi4Bにインストールする場合は、以下のマニュアルを参考にしてください。
https://datasheets.raspberrypi.org/pico/getting-started-with-pico.pdf
それも面倒な人は、RPi4Bの端末を開いて、以下の通り打って下さい。
$ wget https://raw.githubusercontent.com/raspberrypi/pico-setup/master/pico_setup.sh
$ chmod +x pico_setup.sh
$ ./pico_setup.sh
$ cd /home/pi/pico/pico-examples/build$ export PICO_SDK_PATH=../../pico-sdk
$ cmake ..
$ cd blink
$ make -j4
$ ls
CMakeFiles blink.bin blink.elf blink.hex cmake_install.cmake
Makefile blink.dis blink.elf.map blink.uf2 elf2uf2
$
書き込み
コンパイルして出来た blink.uf2 ファイルを、マウントされたRPiPicoのフォルダにコピーしたら、自動的にマウントが外れて(このときPicoの内部のフラッシュに書き込まれる)、自動で書き込んだプログラムが動きだします。
緑色のLEDが点滅したらOKです。
もう一度書き込む場合は、BOOT/SEL ボタンを押しながら、RPiPicoをRPi4Bに接続し直せばRPiPicoのフォルダがマウントされるはずです。
先程書き込んだはずのプログラムは消えていますが、フラッシュに書き込まれているので、BOOT/SEL ボタンを押さずに電源を供給すればプログラムが動きます。
おわりに
大切なのでもう一回。
公開されているRP2040のデータシートを見ると、P642から ちゃんとエラッタ(CPUのバグ)が書かれています。
https://datasheets.raspberrypi.org/rp2040/rp2040-datasheet.pdf
ひどいバグです。
しかし、ちゃんと書かれている事が重要なのです。
ちゃんと読めば、悩まずに対処もできますから。
これに見習って、ひどい出来でもRaspberry Pi 4BのGPU情報は公開してもらいたいものです。
おしまい
購入品情報
本家の製品情報はこちらから
マルツでは、税込 605円でした。
Amazonだと税込み820円となっています。