中野島ロボット

小さなロボットの自作記事を書いています。

週刊マイ3Dプリンター 「idbox!の落とし穴」 初回

はじめに

(!)これはマイ3Dプリンターの初版に関するもので、再販版では修正されているかもしれません。

ディアゴスティーニの「週刊マイ3Dプリンター」は解説通りに組み立ててもなかなかうまく動いてくれません。

idbox!を組み立てた時に自分がはまった落とし穴を忘れないように書いておきます。

題して「idbox!の落とし穴」

これは、idbox!を完璧に組み上げたつもりだったのに、なかなかうまく動かせなかった私の失敗と克服の記録です。

自分でなぞ解きをしたい人は見ないで下さい。

ありきたりなもの(ネジの緩み、アクリルの割れなど)は最後にまとめてちょいと書きます。

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1.Y軸リミットスイッチ(エンドストップ)はM3ワッシャを二枚咬ませないと絶対に反応しない件 3号 No.6

一応、55号のP4で、「Y軸リミットスイッチが作動していない場合は、予備のM3ワッシャーを二枚かませること」と書いてあるが、まず・おそらく・絶対に そのままではY軸のエンドストップは反応しない。

スライダーに付いているドグが光学式エンドストップに届いていないのだ。

誰一人として、この修正無く正常動作させられるとは思えないのだが、どうだろう。

「M3ワッシャーを二枚」と言うあまりに具体的な対処法が怪し過ぎる。

たまに動く人がいるのであれば、「まず一枚で、だめなら二枚」と書くはずだ。確信犯に違いない。

ワッシャーは、筐体とエンドストップの間にある白いスペーサの間にはめ込みます。

画像

なぞ解き

これは、idbox!の兄モデルの3Dプリンター ボンサイラボのBS01の板厚が5.5mmだったものが、idbox!のアクリル板が、5mmになったためと考えられる。

つまり、その差は0.5mm。 M3ワッシャーの厚みは0.5mmなので、一枚だとうまく動いたり、動かなかったりする可能性があるため、あえて「二枚」と指定している。

(この問題は、各所でさらなる悲劇を起こすことになるのだが、それはまた後で。)

なぜか同じ仕組みのX軸はちゃんと反応するのだが、ロッドの軸と筐体との距離が違うためである。

気を利かせて、X軸のエンドストップに同じようにM3ワッシャーをかましてはいけない。ドグがエンドストップに当たって最悪破損します。(とりあえずやってみたという事です。)

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2.RAMPSのエンドストップの場所がZ軸だけ違う件 43号 No.9

 不可解な現象、X,Y軸は動くのに、Z軸が Homeを押すと10mm上がって止まる。

 筐体に止めた後のRAMPS(ドライバ基板:上の基板)の配線は、見えにくく間違いを起こしやすい。

 idbox!のエンドストップの配線は、X軸から一個飛ばして、Y軸に接続し、Y軸から二個飛ばしてZ軸のエンドストップを接続することになっている

 この件について、被害報告も注意書きも無いため、おそらくこの穴に落ちたのは自分くらいかもしれない。

画像

なぞ解き

 エンドストップは多くの3Dプリンターでは一個飛ばしに刺して行くのだが、idbox!はまさかのZ軸のみ二個飛ばしである。

 ここはファームウェアで調整できると思うのだがどうだろう。

 所有する他の3Dプリンターは、一個飛ばしであり、油断大敵です。

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3・ヘッドが端に行く程硬くなり、ガガガガ言って動かなくなる件。 36号No.9

ちゃんとネジは締めたしベルトのクリアランスの調整もしたのに、ヘッドが端に行く程、動きが硬くなる怪現象が発生する。ここの調整方法がどこにも書いてない。

どこにも書いてないので、調整ツールをあてて、何度もいろんな所を締めたり、緩めたり、グリスをロッドに塗ったりのデスマーチに陥ったりする。

X,Yのスライダーのイモネジを片側緩めると、スムーズにヘッドが動くようになった。

X軸はクルクルを回しては端までスムーズに動くことを確認し、Y軸はヘッドを手動かして、端から端までスムーズに動くことを確認し、緩めていたイモネジを締めて完了となる。

黒い丸いのがイモネジです。

画像

なぞ解き

組み立て手順によって起こった悲劇なのだが、症状が軽いと、たまにエンドストップで止まらないとか、端できれいに造形できないとか、モーターやRAMPSが発熱で暴走する程度で、気付かないままの人も多くいるのではないだろうか。

たったこれだけなので、重症化する前に一度緩めて確認しておこう。

ここを調整しておけば、そうそう簡単にヘッドのリニアブッシュにガタが出たりすることはないと思う。カチカチ音にも効果がありました。

起動時の動作と音の確認用に動画を載せておきます。Z軸、X軸、Y軸の順番にエンドストップで端を検出して行きます。

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メモ

とりあえず、ドライバーやソフトのインストールが正常にできていれば、55号に乗っている調整方法と以上3点で、なんとか造形できる所まで行けました

(次回はさらなる悲劇が。。。つづく)