中野島ロボット

小さなロボットの自作記事を書いています。

週刊マイ3Dプリンター 「idbox!の落とし穴」 第二回

つづき

(!)これはマイ3Dプリンターの初版に関するもので、再販版では修正されているかもしれません。

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4・Z軸の上部品とエクストルーダーの差し込み部分が干渉する件 54号 No.6

Z軸の上部品とエクストルーダーの差し込み部分が干渉している。そのままネジを締めて行くと。。。割れた! 

普通にネジ締めたら絶対割れると思う。 割れていない人がいるのだろうか。

エクストルーダーの取り付けネジは締め込み厳禁です。

締め込みたい人は、M3ワッシャーを筐体とエクストルーダーの間にかまして下さい。

(ひび割れ程度だったらとりあえず放っておいて、あとで3Dプリンターで印刷した部品と入れ替えれば良いのだが、ネットにはこの問題に対応していない部品もアップされているので、導入には注意が必要です。)

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なぞ解き

これも前回のNO.1と同様板厚の違いが生んだ悲劇である。板厚が薄くなった分、外側のパーツが筐体の内側に、0.5mmはみだしているのだ。

エクストルーダーの下側が、Z軸の天板と干渉してしまっている。

idbox!のようにZ軸のベッドを片側から、ささえる構造の場合、Z軸の天板と底板をきっちり平行に取り付ける必要がある。このことを理解している人は、このあたりのネジをぎゅうぎゅう締めたくなるものだが、idbox!のZ軸を調整するときは注意が必要です。

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5・造形ステージ(ベッド)が斜めになっている件 47号 No.11

説明では垂直ロッドを後ろに押せと書いてあるが、これでは背面パネルと垂直ロッドが平行にならない。

造形ステージ(ベッド)の前が上がってしまい、調整ねじでは調整しきれなくなってしまう。

背面パネルから垂直ロッドの上下のネジ穴の中心が、同じ距離になるように止める必要がある。

一番簡単なのは、二本の垂直ロッドを手前に引きながら締めること。(手がべたべたになるけど)

その後で、再度背面パネルから、垂直ロッドを止めているネジの中心との距離が、4か所ともほとんど同じ(0.2mm以内)になっていることを確認する。

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なぞ解き

マイ3Dプリンターの組み立て説明とは逆になってしまうが、Z軸は上下ともに手前に引きながら締めないと真っすぐにならない。また、Z軸天板の遊びが大き過ぎることもあるが、おそらくこれも、板厚が関係してのことと考えられる。

idbox!はXYガントリーは、正面、背面、左右のパネルで強力に平面を固定されている。

このXY平面に対してZ軸を垂直にする必要があるのだが、となれば、Z軸天板は背面からの距離で合わせるしかない。

まとめ:背面パネルに対して、平行に垂直ロッドを固定し、わずかなずれはベッドの下の高さ調整ネジで調整する。

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6.ベルトが硬すぎて、トーションスプリングがかからない件。 27号

idbox!は初期状態ではトーションスプリングは不要です。

idbox!のベルトは硬すぎて、トーションスプリングはそう簡単にかけられない。

idbox!のベルトは組付けの時に相当なテンションがかかっており(アクリル板が割れるかと思うくらい)、また通常の3Dプリンターが使うGT2タイミングベルトより、厚く丈夫なベルトを使っている

このスプリングは、3Dプリンターで標準的なタイミングベルト GT2用のものと同様に見える。

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(右がGT2のスプリング、左がidbox!のスプリング)

なぞ解き

idbox!のベルトが少しねじれているのを直そうとしたのだと思われるが、組付けの時に相当テンションをかけてもまだ少しねじれている。

多少ねじれていても、ちゃんとテンションがかかっているので大丈夫です。

無理してスプリングを掛けると、オーバーテンションになると思う。

丈夫なベルトを使っているidbox!にはそもそも必要なく、ベルトが伸びてからでも良いので大切にしまっておこう。

(つづく)