中野島ロボット

小さなロボットの自作記事を書いています。

週刊中ロボ221 3Dプリンタで苗ガードを作る

はじめに
今年は家庭菜園が忙しく、この所ロボット制作は停滞気味ですが、3Dプリンタで害虫除けの器具を作ってみました。名付けて「苗ガード1号」。ちいさな苗をにっくき害虫から守ってくれる器具です。

課題
できるだけ無農薬で野菜を育てようとすると、害虫の被害を抑える事が必要になります。特に苗が小さい時に根切り虫の被害に良く合います。せっかく1ヶ月かけて育てて来た苗を、バッサバッサと切り倒されるのは精神的につらいです。また、枯れなくても、茎の根元をかじられるとその後の成長が阻害されたり、病気にかかりやすくなったりします。

今まで
紙の筒を使って苗をガードするとそれなりの効果がありました。ただちょっとした加工が必要だし、どうしても形状が安定しないのと、風や雨に弱い部分がありました。今回はこのコンセプトを生かした器具を作ってみて、家庭菜園の時短を目指します。

なお中野島ロボットの家庭菜園ブログ”横浜家庭菜園研究所”(略して横浜家菜)はこっちです。

yokohamakasai.hatenablog.com

ちなみに、いままでの横浜家菜の発明品としては、横浜家菜畝 があります。

モデリングコンセプト
マイクロソフト3Dビルダーでモデリングしました。このモデルの狙いは、

・設置がしやすいこと
・土に差し込む長さは 1cm、上部は3cm程で、土中の害虫にも対処
・害虫が上り難い構造
・風に飛ばされない構造
・茎が成長したら、広がる構造
・茎を止めておく構造
・苗の周りの雑草対策ができること
・土に埋めておくと分解されるPLAかTPUで造形できる形状
等です。

飛び出した部分は取っ手では無く、成長した苗が風で折れるのを防ぐためのものです。
印刷
作成した3Dモデルを3Dプリンタのの idbox!で以下の設定で印刷してみました。

フィラメント TPUフィラメント
積層 0.3mm
速度 50mm/sec
インフィル 100%

約30分ほどで印刷できました。

なおTPUフィラメントやPLAフィラメントは生分解性なので、使い終わったら土に埋めておけば分解されてしまいます。

使い方
苗を傷つけないように、横のスリットから苗の茎を通して、半分くらい土に埋めます。この時できるだけ横の隙間が開かないようにします。内径は16mmですが、茎が太くなってもある程度スリットが広がり植物の成長を阻害しません。
確認
実際に畑で試して見てみます。うまくいったら、これをベースに、より害虫が登りにくく改良して行こうと思います。例えば外はイボイボ、トゲトゲにするとか、返しをしっかりつけるとか。また、内側に入りこまれたら、内側は適度なデコボコで、返しなしで外に出やすくするとかです。また、昆虫は色にも敏感で、成虫であれば黄色に集まりやすく、キラキラを嫌う虫もいるので、機会があれば変えて試してみようと思います。

おわりに
鳥対策になるかは微妙です。逆に目を付けられて、”この真ん中に餌がある”なんて学習されたら困るな。なお経済性は一個で3メートル程フィラメントを使用するので、材料費は20~30円程になります。

おしまい

購入品情報
中野島ロボットが使っているのはこのTPUフィラメントです。

そういえばシルクPLAフィラメントを購入していました。害虫にはキラキラが嫌いな種類もいるので、これなんかは良いかもしれません。ただキラキラは鳥の注意を惹いちゃう場合があるので、いたずらされ無いかの確認が必要だと思います。

低い苗用の高さを抑えたものも作ってみました。

ここまで