中野島ロボット

小さなロボットの自作記事を書いています。

日経星新一賞落選記念 アインシュタインよ永遠に その3/5

作品タイトル アイシュタインよ永遠に

あらすじ
人工知能による人類史上最大の謎に挑んだ科学者の物語です。苦労の末人工知能の開発に成功し、ついに謎の答えを得ることに成功します。しかし、れよりも大事なものを見つけ、そっと心の中にしまっておく事にしたのでした。

N助手
N助手は秀才でも天才でもない平凡な成績の学生だったが、自分が生まれる前に開発され今でも世界最高性能の量子人工知能コンピュータに、ちょっと触ってみたいというだけで助手の募集に応募したのだった。賢明な研究者はこれまでの経緯を知っていて、誰もこの計画に応募するものは無かったので、めでたく彼が採用されたのだった。

N助手はデータを入れる作業のためだけに雇われていたのだが、実験をしていないときには、性能測定と称して量子人工知能コンピュータを使うことが許されていた。この人類の英知を結集した気難しい高価な量子人工知能コンピュータが、トンチンカンな質問をすると、真面目に考えたでたらめな回答が返って来るところがN助手は好きになっていた。

ある日のこと、いつものようにN助手はどうでも良い会話をしていた。
”明日の天気は?”
 ”晴れです”
”じゃあ一週間後の天気は?”
 ”わかりません”
N助手は、この返答に”おやっ?”と違和感を感じた。今までだったら、晴れの確率が何パーセントだとか、複雑な計算の結果を見せて曇りだとか、何らかの結果を出していたのに、世界最高のコンピュータが1周間後の天気が”わからない”なんてことがあるのだろうかと。

この話をF博士にしところ、博士はぎょっとしてしばらく口をパクパクさせ、宙をうつろに見つめていた。
”どうしたんですかF博士、大丈夫ですか”N助手の問いかけにも答えず、最後には涙を流し始めた。

そしてしばらくして
”ついに完成した!ついに完成したぞN君”と叫んだのだった。
一週間後の天気など誰にもわからないものなのだが、”わからない”ということが人工知能にわかったと言うことは、量子人工知能コンピュータが完成したことに他ならない。

つづく

(!)画像は無料のMicrosoftの Designer Previewにセンテンスを読み込ませた生成させたものです。

designer.microsoft.com

かなり気持ち悪いです。

参考書籍