はじめに
ラズベリーパイとは小さなワンボードコンピュータですが、Model 4Bになってすごい演算パワーになっています。PCが無くてもこれ一つでロボットの設計から3Dプリンタでの機体の印刷、プログラム開発すべてが可能になるくらいの性能があります。
注意事項
ラズベリーパイをオーバクロックすると内部に記録され、保証が受けられなくなることがあります。
RaspberryPi Model4BをOC(オーバークロック)するには
RPi4は簡単にオーバークロック(OC)できます。bootの下のconfig.txtファイルを編集して再起動するとCPUのターボ周波数を変更できます。
テキストエディタでファイルを開いて修正します。
$ sudo vi /boot/config.txt
確認方法
現在の周波数を確認するには、端末を開いて
vcgencmd measure_clock arm
とすると周波数を表示します。ただ負荷がかかっていないとクロックダウンした周波数が表示されます。
また、オーバクロック時に注意したい温度は
vcgencmd measure_temp
とすると表示されます。
半導体の寿命を考えると70℃以上になったら止めるべきですね。
おすすめ設定
/boot/config.txt
# OverClock
over_voltage=2
arm_freq=1800
#gpu_freq=600
force_turbo=0
これは、供給電圧を少し上げて、1.8GHzでCPUコアを駆動する設定です。
ベンチマークを取るときは、
force_turbo=1
とすると、勝手にクロックダウンしないで、常に1.8GHzで駆動することになります。
ちなみに1.8GHzにしたのは、先日発表された、キーボード一体型のRaspberry Pi 400の速度に合わせたものです。
over_voltage の設定は、-16〜8まで設定できて、1ステップが0.025Vになっているので、電圧にすると 0.8V〜1.4V (ノーマル1.2V)となります。
限界は over_voltage=6 arm_freq=2150 くらいにあるようなので、常用限界は以下の設定かと思います。
over_voltage=5
arm_freq=2000
とすると、RPi4を2.0GHzで駆動できます。この場合は3.3Vでファンを駆動していると危険なので、5Vでファンを回して下さい。
これ以上を目指すアスリートの場合は。。。。自己責任で
ちなみにRPi4のCPUコアのCortex-A72は、2.5GHzを目指してタイミング設計されたものなのですが、半導体の製造プロセスによってはそこまで上がりません。
OCに失敗したら
もし設定を変更して Raspberry Pi OS が起動して来なかったら、microSDカードを他のPCに挿して、config.txt 編集して元に戻すか、他のバックアップ用のmicroSDカードがあればそれで起動して、USBカードリーダーで認識させて、config.txt 編集して元に戻して再起動すればOKです。
有線キーボードを繋いでいるのであれば、SIFTキーを押しながら起動するとデフォルトの設定で起動するようです。(試していません)
消費電力は
1.8GHzにOCしてもほとんどかわらないですね。アイドルで5W、負荷をかけて9Wといったところです。動作は若干軽くなった感じです。
RaspberryPi Model4BをUC(アンダークロック)するには
アンダークロックも同様に電圧を下げたり、クロックを下げたりできます。
手持ちのRPi4は以下の設定でも動作しています。
over_voltage=-16
arm_freq=1600
クロックを下げていくとパフォーマンスはクロックに比例して下がっていく感じです。しかし、消費電流はアイドルで3W〜4W、負荷をかけて6〜7Wといったところです。実はクロックを下げていっても消費電力はあまり下がりません。(設定が未だ実装されていなくて効いていないという事も考えられるし、ワットチェッカが1W単位というのもある。)
正式資料
英語ですがリンクがあります。
おわりに
シャットダウンしても2Wなので、予想はしていましたが、RPi4をクロックダウンして超消費電力で常用PCとして使う夢は潰えました。
今どき待機時に2W食うPCってないと思うけどどうなんだろう。
次回はベンチマークで確認してみます。
購入品情報
この製品はインパクトありですね。(中野島ロボットは購入していません。)
これだけ盛大に風を当てていれば関係ないでしょうが、RPi4の熱いのはそこではないんだな。
RPi4は、2.2GHzに壁がある感じで、冷却とは別に動かなくなる感じです。今壊れると困るので、最後にペルチェでも使って電圧を上げて、Coretex-A72の設計ターゲットの2.5GHzにトライするかも。