今週のお題「復活してほしいもの」
はじめに
簡易電力計のエコキーパー EC-03を修理しました。たしか10年以上前に入手していて、最初は使えていたのですが、だんだん液晶表示が薄くなって行き、ついには見えなくなってしまっていました。
まだAmazonで買えるようです。すでに新しい簡易電力計を購入しているのですが、いつか直そうと思っていたので修理できるか開けてみる事にしました。
分解手順
後ろのネジがY型の特殊ネジになっているので、特殊ドライバが必要でした。
それを三つ外すと中が覗けます。中は液晶とマイコンが乗った基盤が一枚、液晶保護カバーで構成されていました。
基板チェック
基板の回路構造を良く見ると、100Vをダイオードで半波整流して、マイコン基板に5Vを供給して、電流検出器で検出して電流をマイコンで計算(積分)して、結果を液晶に表示するという回路構成のようです。
まずは電解コンデンサが疑わしいのですが、特に液漏れや膨張等はなさそうでした。
考察
電源回路はAC100Vをフィルタして、抵抗分圧後ダイオードで半波整流して、ツエナーダイオードで定電圧を出して、三端子レギュレータの78L05でマイコンに電源を供給しているようです。三端子レギュレータの電圧をテスタで計ってみると、入力が3.8Vで、出力が2.3Vしかありません。よく見るとツエナーダイオードに3.8の文字があり、なんとなくツエナーダイオードは3.8Vを使っているようです。普通マイコンは3.3Vを良く使うので、なにかこの辺りに原因がありそうです。
おそらく三端子レギュレータの78L05が間違っていて、ほんとは78L03だったのではと予想しました。SOT-89パッケージのの78L03が手元にあればいいのだが。。。手持ちは無い。
修理
むかし秋月電子で購入していたXC6202と言う3.3Vの三端子レギュレターに付け替えてみました。ビンゴ!
テスタで計ると、三端子レギュレータの入力が3.8Vで、出力は3.3Vになり、液晶が正常に表示されるようになりました。手持ちのXC6202はTO-92パッケージなのですが表面実装のSOT-89パッケージより厚みがあるので、背面をダイヤモンドやすりで削って低くして半田付けしました。
ICのパッケージはダイヤモンドヤスリで簡単に削れることが分かりました。
確認
あとは元に戻して修理完了です。100Vに繋いで負荷を繋ぐとちゃんと簡易電力計として動作することを確認しました。
おそらく製造時に部品を間違て付けていて、でもなんとなく動いていたんので、出荷されちゃったんだと思います。
直った! (と言うか製造ミスだなこれは。)
おわりに
このEC-03は電気代も表示できるのですが、この頃は22円/KWhになっています。昔はずいぶん電気代も安かったんですね。流石に古い機器なので、もうあまり使われてはいないかもしれませんが、EC-03の液晶が薄くなったという人がいれば、参考に修理を試して見て下さい。ただ100Vを使う機器なので慎重に。
これで二か所の消費電力が同時に計れるようになりました。
おしまい
購入品情報
今はこれ(ちょっと型番は違うが同じはず)を使っていますが、同時に二つ計測したい時もあるんです。
これは電気代が26円/KWh に設定されていますが、2022年は再エネ付加金がついているので、27円/KWhくらいになっていると思います。基本料を入れると28円/KWhくらいでしょうか。
特殊ドライバーセットはこれを使いました。