中野島ロボット

小さなロボットの自作記事を書いています。

週刊中ロボ71 「イチジク」ロボットの制作 その9

夏休み工作のアイデアは自分で考えるのが基本ですが、「イチジク」で何ができるか考えてみます。

 

MINERVA-II2を参考に

「MINERVA-II2」は、東北大学が中心となって開発したJAXAの「はやぶさ2」に搭載されている探査機(ローバー)です。特に微小重力下の移動方法の技術確認用に、色々な移動手段を搭載しています。

  

その2 バイメタルによる移動

バイメタルとは二つの金属を貼り合わせた構造で、それぞれの金属の温度に対する膨張や収縮の変形量の違いを利用して、わずかな変化量で大きく反ったり戻ったりする特殊な金属です。身近な所では温度計やシャワーの混合栓のサーモスタットとか温度スイッチに使われています。
この温度によって反ったり、戻ったりする特性を利用して「ずるずるごそごそ」と「りゅうぐう」の上を這いまわるようです。「りゅうぐう」の自転を受けて、機体の温度が変化するのでそれを利用するのでしょうか?

 

さすがに

地上ではそんなに温度差も発生しないし、バイメタルの動作は制御するのは難しそうです。Amazonで「バイメタル」で検索しても温度計やサーモスタットばかりで、バイメタルそのものや、温度差を動きに変換する部品は見つけられませんでした。

ただ、バイメタルを移動の手段に使うといったアイデアは参考にできると思います。
3Dプリンタで二種類のフィラメントで印刷したら、もしかしたらバイメタル的な動きをする樹脂部品が製造できるかもしれませんが、そもそも樹脂は温度による膨張収縮が少ないのでいろいろ工夫が必要そうで、夏休みの工作には向かないと思います。

 

一応

形状記憶フィラメントというものがありますが、高価で変形温度は55度になります。 

   

「イチジク」に応用するなら

バイメタルそのものは無理として、その動きをヒントにしてごそごそと卓上を動き回るロボットを作ることは可能だと思います。素材の反りの代わりにSG90サーボモータを使って強引に動きを作ってしまうと良いと思います。つまり動きとしては、SG90を機体に立てて固定し、サーボホーンを足としてつけるだけで良いという事です。 

サーボホーンが地面をとらえれば、動きに応じて機体は、「ごそごそはい回る」動きをするはずです。  

f:id:nakarobo:20190827014630j:plain

 

SG90サーボモータを機体に固定する一番簡単方法は、プラ角棒を利用した方法で、この過去記事を参考にして下さい。 

www.nakarobo.com

「イチジク」でも、サーボホーンの動かし方で、意外と「ごそごそ」「もぞもぞ」右に左にとはい回る動きを作れます。サーボモータを固定する場所や角度を変えても面白い動きが作れると思います。
 

つづく

 

購入品情報

模型店や家電量販店入で手しやすいのはタミヤの5mmプラ角棒だと思います。 

タミヤ 楽しい工作シリーズ No.131 プラ材5mm角棒 6本入 (70131)

タミヤ 楽しい工作シリーズ No.131 プラ材5mm角棒 6本入 (70131)

 

加工しやすいのは、タミヤより少し柔らかいWaveのものです。

プラ=材料【グレー】 角棒 5.0mm (4本入)

プラ=材料【グレー】 角棒 5.0mm (4本入)

 

あとはSG90の付属ねじと、2mmのネジがあれば固定できます。

(まあ両面テープで止めてもいいんですけどね。)