中野島ロボット

小さなロボットの自作記事を書いています。

週刊中ロボ36 犬笛を考える その5

ロボットの制御にはいろいろありますが、やはり音声やジェスチャがいいかなと思っています。

 

高調波(倍音)

どの程度含まれているかは、FFTによって調べます。FFT機能が付いたオシロスコープなら、FFTボタンを押すと表示され、カーソルを合わせると周波数を表示してくれます。縦軸が強度で横軸が周波数になり、右に行く程周波数が高くなります。

 

Hsaygoさんの笛

FFT結果はこのようになりました。 f:id:nakarobo:20181231152004j:plain

 周波数は3,160Hzで目立った高調波はありません。綺麗な正弦波でしょう。

 

 Thingversの犬笛

続いて Thingversの犬笛のFFT結果です。

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基本波以外にもいろいろでています。真ん中が基本波で4,260Hzで、低い方から1/3、2/3、1/1、4/3、2、と言った感じで、それなりの強度の波形が混ざっています。

この笛は共鳴管の底面が球形なので、いろんな波が混ざってしまっているのかもしれません。とりあえず高調波も出ていそうですが、人間にもガンガンに聞こえます。

 

Amazonの犬笛

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基本波と二倍波がでています。二倍波と言っても、16,900Hzなので、人間に聞こえないほどではありません。その上の高調波となるとレベルも低く犬にも聞き取れないくらい高い音になりそうです。

Thingversでもう一つ

3Dモデルを見つけました。このモデルは4000Hz~6000Hz の音だそうで、コメントには人間に聞きにくい超音波を出すものは、”Silent dog whistle” と言うようです。

それと、犬さんが飼い主の笛と聞き取りやすい様に、周波数を調整できるようになっているようです。


結論
  

という事で、犬笛=犬が反応する笛 であり 超音波笛 では無いことが決定しました。

 

そもそも

超音波でロボットをコントロールすることが目的ではなかったはずなので、とりあえず超音波を出す笛のことは置いておいて、本題の音声コントロールに戻ります。

  

おまけ 

ホントは圧電スピーカーを発信器を使って超音波で鳴らして、圧電スピーカーで超音波を測定して校正してから計測しようと思っていたのですが、コンタクトマイクを思い出したので、これで測定してみました。コンタクトマイクがなければ、圧電スピーカーでも笛の周波数も拾えるはずです。

  

購入品情報 

 これは、中野島ロボットがたまに使っている発信器です。25MHzまでのいろんな波形を作り出すことができます。8,000円くらいします。

 (これもちょっと高いです。いつもは仕舞ってあって、ここぞという時に一年に1、2回登場します。)