中野島ロボット

小さなロボットの自作記事を書いています。

週刊中ロボ52 突然ですがドミネーターを作りたい その16 超音波について その4

サイコパス(PHYCHO‐PASS)というアニメーションの中の小道具、「ドミネーター」の音声再生機能を作ります。超音波スピーカーを試して見ます。といっても原理だけです。

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超指向性スピーカー実験

とりあえず、超音波スピーカーの疑問や圧電素子への幻想がなくなった所で、超指向性スピーカーの実験を行います。


超指向性スピーカの実現方式にはAM変調方式とFM変調方式があるようです。
AM変調方式は搬送波となる40KHzと可聴周波数の1KHzを発振器の波形合成機能で振幅合成すれば確認できます。本来のFM変調は送信電力を一定にして周波数を変える(変調)するものですが、超音波スピーカの周波数特性が40KHz±1KHzと急峻な事を利用して、音の強弱で周波数を変え、超音波スピーカーを駆動すると、結果として振幅の違いを作り出すようです。音の強弱を電圧に変えると、電圧で周波数を変えることができる回路やICがあるので、それを利用しているみたいです。

FM変調方式は発振器の波形合成機能で作るのはちょっと難しいので、今回はAM変調で実験を行います。

 

検証環境

周波数発振器の波形発生機能を使用して、変調波形を発生して見ます。簡単に実験できるのは、AM変調方式です。中野島ロボットの周波数発生器は、PCに繋ぐと波形合成や任意波形の再生機能があります。そこで、1KHzの基準波形と40KHzの矩形波を合成した波形を作成します。

 これで、超音波スピーカーを駆動し1KHz(1000Hz)の音が聞こえれば成功です。

 

実験開始

周波数発生器で波形をオシロスコープで確認します。

なんとなく出ていそうです。


次に超音波マイクを繋いでみます。
さあ聞こえるはず。・・・・

 耳鳴りなのか良く分からない。

 

周波数を間違えてました。基本周波数を1KHzなら、搬送周波数が40KHzなら、40個の矩形波が必要ですが、20個しかありませんでした。

 

なんとなく聞こえている気がする。

電圧を10Vに上げてみます。 (* ̄0 ̄)/ オゥッ!! 聞こえる。聞こえるぞ。1KHz。
超音波マイクの波形を見てみます。それらしい。
普通のマイクの波形を見てみます。 1KHz よっしゃー

 これを多数並べれば、超音波スピーカーを作る事ができます。まあ変調をAMかFMかのどっちで行うかという問題はあるのですが。

 

で肝心の指向性については 

つづく

 

 

購入品情報

中野島ロボットが今回使っているデジタル信号発生器です。

PCと繋げば、波形合成や25MHz、20V p-pまでの任意波形を発生させることができます。  

 値段は少し高くなるのですが、新型ならFM変調もできるようです。