週刊 idbox!のプチ改造 No.11ロングベアリング化
はじめに
idbox!のZ軸のリニアベアリングを、ロングタイプのリニアベアリングに付け替えます。
必要レベル ★★☆☆☆
概算 1,000円~4,000円
idbox!はきちんとZ軸が調整できていれば、リニアベアリングを変えなくても綺麗に造形してくれます。
効果は実感できませんでしたが、一般的には以下の様な効果があるそうです。
・Z軸のブレが少なくなります。
・Z軸のガタが減り、X,Y軸の造形が安定します。
・高速時に造形が安定します。
手順
1. ロングベアリングを購入する。
フランジ付きのロングベアリング、LMK8LUUを二つ購入します。
LMK8LUUは高価で出物も少ないので、購入できない場合は、LM8LUUかより安価なLM8UUが二つ入るケースをモデリングして使うことになると思います。
(モデリングして部品は作りましたが、LMK8LUUを付けているので運用はしていません。)
2.スペーサーをモデリング
LMK8LUUはフランジ部分の高さが低いので、5mmのスペーサーを付けてもとのベアリングと同じ高さに揃えます。
本当はベアリングのちょうど真ん中に、ベッドが来るように固定するのが精度的には良いのですが、上げ過ぎるとZ軸天板に当たってしまうので、元のベアリングとおなじ高さになるようにスペーサーをプリントして使います。
3. ベアリングを交換する。
Z軸を一旦ばらして、もとのベアリングを取り外し、購入品と交換します。
購入品はつける前に、ベアリングにグリスを塗っておき、スペーサー、ベアリングの順に組み込みます。
4. Z軸を調整する。
Z軸は天板からリニアロッドを”手前に引きながら”ネジを締めて固定します。
次に底板側を、天板側と同様にリニアロッドを”手前に引きながら”ネジを締め付けて固定します。
裏板からネジの中心までの距離が天板と底板で同じになっていることを確認します。
5. グリスアップ
組み上げた後に、グリスアップを行い、ベアリングにグリスを行き渡らせます。
6. 動作確認
テーブルベッドの高さを再調整して、プリントして正常動作を確認します。
解説
すごい効果があったと言う人と、効果を感じなかったと言う人がいるようです。
効果があったという人はそもそもZ軸の調整がずれていて、ロングベアリング交換した時に、一度Z軸をばらして再組立てした時に正しい位置に調整できたためではないでしょうか。
あまり考えられませんが、ベアリングが不良だった場合も交換すると効果があると思います。
確かにロングベアリングに交換すると、ガタが少なくなり、Z軸を斜めに組み上げてしまうことがなくなり、スライドが安定します。
100mm/secを超えるような速度で造形するような場合は、長期的な安定性が上がるかもしれませんが、現状で綺麗に造形できている人には特にこの改造は必要ないと思います。
現状LMK8LUUが付いているので、試していませんが、精度はショートタイプのベアリングをダブルで実装した方が効果があると思います。ダブルで実装する場合は、中のベアリングの向きを変えると、精度が良くなるそうです。今のベアリングがダメになったらトライしてみます。
おわりに
なんとも微妙な結果ですが、造形物の横じまに悩んでいる人は、試してみても良いかもしれません。
idbox!のZ軸を強化するプチ改造でした。
idbox!のプチ改造はこれで終わりです。次回はまとめを行い、次々回はやっては見たけどプラセボかもしれないものを載せて年内完結予定ですが、実際に運用しているのはこの11個なので、できそうな所からトライしてみて下さい。
(プリント部品はどれも簡単なので、自分でモデリングできると思いますが、Thingiverse https://www.thingiverse.com/nakarobo/designsにユーザー登録できたので、徐々にアップして行きます。)
購入品情報
これもステンレスで良さそうです。
とても安いので買っては見たが、錆びないか検証中です。