中野島ロボット

小さなロボットの自作記事を書いています。

週刊中ロボ208 2.5インチ SSDケースの修理

はじめに
壊れていた2.5インチ USB3.0のSSDケースの底の部分を3Dプリンタを利用して修理しました。

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2.5インチのSATA SSDは厚みが7mmと9.5mmのものがありますが、購入したケースは7mm専用だったらしく、9.5mmのSSDを無理やり押し込んだせいか底側のパーツの爪の部分が壊れてしまっていました。

原因調査
このケースの部品はケース本体と変換基盤、底板の三種類で、壊れた底板をモデリングしながら、破損原因を調査しました。f:id:nakarobo:20220410161434j:plain

1.ケースの穴位置と爪の位置がずれている。
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そもそも穴位置と爪の”ポッチ”がずれています。

2.SSDの幅より二つの爪の間隔が狭い
 2.5インチのSSDの幅は70っmですが、1mm程狭く、常に爪に圧力がかかっている状態になります。

3.爪幅が大きくケースの内側と干渉している
 このケースは側面がR10で面取りされて丸みを帯びているのですが、爪部分の横幅が4.8mmと広くて4.0mm程度でないと、ケースの内側と干渉していました。そのためさらに爪が内側に入ってしまいます。

4.底側の抑えの高さが高い(幅が7.5mmしかない)
 底に二本の抑えが横に入っているのですが、SSDの厚みが7mmだと抑えの間にすっぽりはまるのですが、9.5mm厚だとはまらないので、抑えの上に乗ることになります。押さえの高さがあるので、無理やり押し込まないと取りつきません。

メーカのホームページを見ると、HDD/SSDの対応する厚み記載はありません。
www.marshal-no1.jp

しかし、内部の作りを見る限り7mm専用です。そもそも底の部品にいろいろ問題があり、7mm厚なら遊びがあるので、なんとか使えるのですが、9.5mm厚だと隙間が無くなって、無理な力が爪にかかって壊れてしまうようです。どう見ても設計不良ですが、値段を考えたら致し方ない所でしょうか。
モデリング
Microsoft 3D Buildr で以下の方針でモデリングして修理して行きます。
1.爪のポッチの位置を0.5mm上げてケース穴の適正位置にした
2.爪の位置をSSDの幅に合わせて69mmから70mmに広げた
3.爪の幅は4.8mmだとケースの丸みに合わないので、ケースに沿うように丸みを持たせた。
4.底側の抑えの高さを1mm低くした。(幅はこれ以上広げられないので)

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印刷
PETGフィラメントで、デルタ型 3Dプリンタ RostockNano で印刷しました。積層0.2mm、速度30mm/sec、インフィル100%で30分程で印刷されます。最終的な出来上がりは いい感じです。

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確認
9.5mm厚のSSDを搭載して確認です。

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問題なく収まりました。

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おわりに
こんなものでも欲しいと言う人がいたら、Thingeverに3Dモデルを上げますが・・・無いでしょうね。
ちなみに最終的なモデル達するまでに、5つ程印刷して失敗しています。

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高いものではないので買い直した方が早いのですが、格安なのにアルミケースなので気に入って二つも購入してしまっているので、修理したかったんです。それに別のを買ってもまた同じように壊れたら嫌ですし。これでラズパイのバックアップやSSD起動実験ができるようになります。

おしまい

購入品情報
このケースはアルミなので、何かと発熱するUSB3.0だと安心感があります。

ただし7mm専用品なので、9.5mmを無理やり押し込むと壊れる可能性があります。

AmazonブランドPETGフィラメント
AmazonブランドでPETGフィラメントが発売されました。本当は黒のPETGフィラメントが良かったのですが、今はモデリング用のグレーのフィラメントがついているので、そのまま使っています。次に黒かカーボンフィラメントに交換したときにもう一度印刷しようと思います。
今ならクーポンがあってお得です。フィラメントがなくなったら、一度試して見ようと思います。