中野島ロボット

小さなロボットの自作記事を書いています。

週間中ロボ112 RaspberryPi Model4B のACアダプターについて

はじめにf:id:nakarobo:20201101042943j:plain
ラズベリーパイとは小さなワンボードコンピュータですが、Model 4Bになってすごい演算パワーになっています。PCが無くてもこれ一つでロボットの設計から3Dプリンタでの機体の印刷、プログラム開発すべてが可能になるくらいの性能があります。

 RaspberryPi  Model4BのACアダプタについて
RPi4には5V 、2.5A以上の電源が推奨されています。なのでRaspberryPi 4用のACアダプタは、5V、 3A(つまり消費電力は15W)のものが売られています。RPi4の本体だけなら通常作業中は3〜5W程度で、CPUに負荷を100%とかけた場合で最大7W程度でした。f:id:nakarobo:20201101045009j:plainなので普通にディスクトップPCとして使う場合には5V、2A程度のACアダプターがあれば問題ありません。5V、1.6Aのものでは時々低電圧警告が画面の左上に出る場合がありました。

ではなぜ

5V、3A以上のACアダプタが必要になるかというと、USB2.0が2つと、USB3.0の2つの外部端子に電源を供給するためです。
USB2.0規格の最大電力を供給するためには、
 5V*0.5A*2ポート=5W
必要です。
USB3.0規格の最大電力をを供給するためには、

 5V*0.9A*2ポート=9W
おっとこれだけで14Wです。

ちょっと待て!
これに本体の消費電力と合わせると単純計算なら
 本体  7W +USB2.0ポート 5W +USB3.0ポート 9W = 21W
となり、5V、4.2Aの電源が必要になってしまいます。推奨の5V、3Aの電源では全然足りていません。

しかし
現実的には全てUSB機器が最大電力で同時に長時間消費することはないし、ACアダプター側も多少の余力があるので大丈夫との判断なんでしょう。 
USB3.0にSSDやUSBメモリをたくさん繋いで運用することを考えている人は注意したいポイントです。

電源スイッチは必要か
RaspberryPi 4用のACアダプターには電源スイッチが付いたものと付いていないものがあります。f:id:nakarobo:20201101044216j:plain普通のACアダプターにも、Raspberry Pi の純正ACアダプターにも、電源ON/OFFボタンは付いていません。

ではなぜ?
RPi4には電源スイッチもリセットスイッチも本体には付いていないため、再起動するためには電源コネクターをON、OFFする必要があります。また、RPi4のOSやソフトウェアは未だ安定していないので、時々リセットしてやる必要がありますが、RPi4の本体にリセットスイッチが無いので、その都度、電源を入り切りする必要があります。40ピンの拡張コネクタにリセットピンが当然付いていると思ったんですが、無いのにちょっとびっくりしました。(普通のワンボードマイコンにはリセットピンがあるので設計ミスではないかな?)

ちょっと待て!
RPi4はOSをシャットダウンしても電流が流れていて、2Wほど消費していました。
RPi4の場合は、もし電源を切り忘れて1年間放置していた場合は、
 2W*24時間*365日=17,520Wh = 17.52KWh
の電力を消費することになります。1KWhの電気代を26円とすると、
 17.52KWh*26円=455.52円 ≒ 456円/年
となります。たかが2W、されど2Wです。
ちなみにWindowsのIntel スティックPCは本体だけなら0W、ドッキングステーションをつけても電源OFF時には1Wと表示されていました。それにWindows機はスリープも使えるので、消費電力では5年前のWindows機に完敗です。Androidのスマホはスリープできるし、チップ自体には待機電力モードを持っているはずなので、やはりソフトウェアの問題なんでしょうか。

しかし
ACコンセント側のテーブルタップにON/OFFスイッチが付いているものがありますが、それを使うこともできます。しかしテーブルタップのスイッチはあまり頻繁にON/OFFすることを考慮して作られていないので、RPi4のインストール時にパチパチやりすぎると壊れてしまうかも知れません。また、その都度電源コネクタを抜き差しするのが苦にならない人もいるかもしれませんが、RPi4本体の電源コネクタが壊れてしまわないか心配です。
(まあ壊れたら拡張コネクタの5V入力から給電すれば良いのですが。)


まとめ

RaspberryPi 4Bは電源スイッチとリセットスイッチがなく、電源OFF時の消費電力が大きいので、このままではPCとして使えません。そんなわけでRPi4のACアダプターは5V3A以上のものが必要です。それに現時点では電源スイッチは必須です。

購入品情報
RPi4のケースと電源、冷却ファンのセットのこれを買いました。電源は5V、3A仕様で、電源スイッチ付きです。


上記セットの電源単体でも購入できます。5V、3Aのスイッチ付きACアダプターは、だいたい1000円くらいです。 


RPi4対応のType-Cの電源スイッチ付きUSBケーブルはまだあまり見かけません。一本700円くらいするので 、電源とセット買う方がなんとなくお得です。