中野島ロボット

小さなロボットの自作記事を書いています。

号外 ボンサイラボ破産

はじめに
Yahooニュースによるとボンサイラボ が破産したそうです。残念ですね。

headlines.yahoo.co.jp

 

ボンサイラボと言えば
デアゴスティーニの3Dプリンタを一年かけて自作する、週刊マイ3Dプリンタのidbox!の兄貴分にあたる BS01を生み出したメーカーです。日本の3Dプリンタのスタートアップとして活躍していただけにとても残念です。 

帝国データバンクの情報によると

 当社は、2013年(平成25年)12月に設立された。低価格、小型の3Dプリンターの普及をビジネスモデルに掲げたベンチャー企業で、100%外注による自社製品の小型3Dプリンター「BS01」シリーズを主力商品としていた。

 3Dプリンター市場が拡大傾向にある中、当社監修によりデアゴスティーニ・ジャパンが、DIYを楽しむ消費者向け雑誌『マイ3Dプリンター』(雑誌に付属するパーツを組み立てて3Dプリンターを完成させる)を販売した事により自社製品の認知度が上昇し、2016年10月期には年売上高約2億300万円を計上していた。

 しかし、2017年より中国企業との協業により、産業用途での国内販売の拡大を図ったことが借入金や投資負担の増大を招き、資金繰りが悪化、事業継続を断念した。
帝国データバンク

だそうです。

 

問題は”しかし”より後ろ
2017年に中国の企業と共同で、BS CUBEと言う入門用の安価な機種と発売した時には、ちょっとびっくりしました。その価格帯にはもう安価でより高性能なガントリー式の3Dプリンタが溢れている状況だったので、この機能と性能なら、14,800円くらいで売らないと成り立たないと感じました。


色々改良点が見つかったのに
idbox! のおかげで、改造ポイントが大量に見つかっているので、単純にそれを取り込んで改良して売り出せばいいだけのはずで、なぜBS01のX-Y式を止めて、ガントリー式に変更したのか全く意味が分かりませんでした。もしかしたら、BS01もコピーなので、どこかで権利で揉めていたのかもしれませんが、BS Cubeの値段と方針はとても良かったのですが、せっかくの資産やユーザの改良情報や顧客基盤を生かさないなんて、もったいないと思っていました。

 
入門用の3Dプリンタに良いものが無い
BS01やidbox!を超えるものが結局無いんですよね。安いけど性能が悪くてサポートも受けられないとなると、ちょっと遊んで直ぐに作らなくなっちゃうでしょうね。それがとっても残念です。
僕も最初に購入した3Dプリンタは全く使っていなくて、ロボット制作はもっぱら、ちょびっと改良した idbox! と自作のデルタ型プリンタ RostockNano(2台)を使用しています。

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3Dプリンタを購入する段階では、どうしてもスペックに目がいって造形エリアの大きな機種が欲しくなってしまうのですが、中野島ロボットのような小さなロボットを制作する場合は、造形できるものの大きさより、速度、強度、精度がより重要です。そうすると5万円位の機種が必要になってしまいます。(光学式はベトベトして変色して溶けてくるのでどうしても溶融式になってしまいます。)
それと3Dプリンタの印刷に何時間も待てないので、部品は一時間くらいになるように分割していますが、そうすると、造形サイズは idbox! の150mm×130mm×100mmや、 RostockNanoの Φ120mm×120mm で十分という事になります。

 

でもこれで
デアゴスティーニとは色々あったようですが権利関係が整理されて、マイ3Dプリンタが改良されて、総額5万円程で再々刊行されるとかすると良いのにと思います。デアゴスティーニからデルタ型の発売のうわさもあったようなのですが、idbox!でも作れる僕の Rostock Nano なんてのも楽しいと思うんですが。  

www.thingiverse.com

これは完全にフリーですし、原価は個人でつくるなると10,000円を超えますが、量産すれば、もっと安くできると思うので。(時間と根気は必要です。)


3Dプリンタなんて機材はタダで、フィラメントを売って儲けるビジネス以外に未来はないと思っていました。溶融積層方式の機構自体はほとんど進化していませんが、フィラメント素材もABSとPLAだけだったのものが、PLA+、PETGやTPU、カーボン素材も出てきているので、組み合わせるとすごいものが作れるようになっていますが、同じ素材でもいろいろと調整する必要があるので、安定した品質のフィラメントを適切な値段で提供してくれたり、3Dモデルと組みで販売するサービスを提供してくれれば一定の需要はあると思うのですがどうでしょうか。(デアゴスティーニさん)

おわりに
そういえば修理用にマイ3Dプリンターを結構購入してあり、最低限1-10号までがあれば良く、26、27、28、36、48、 54、55号があればさらに良くて、あとは3Dプリンタで足りない部品を印刷するか、Amazonで購入すれば何とかなる気がします。
ちまたには完成していないidbox!が推定10,000台(中野島ロボット調べ)はあると思うので、どの程度需要があるかは判りませんが、今度記事にしてみようかなと思います。

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26号 ヘッドブロック XY中心軸で3Dプリンタで印刷するのはちょっと困難なヘッド周りのキーパーツ(無いとちょっと厳しい)

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27号 ヒータブロック ヘッド周りのキーパーツ(特にこの号の組立マニュアルが重要)

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 28号 ヒートシンク  (無くてもなんとかなるがアルミの穴あけ加工技術が必要になる)

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 36号 TOPパネル アクリルの天板 (最悪無くても良いけで雰囲気が出ない) 

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 48 号 底面カバーパネル アクリル製(最悪無くても良いけで雰囲気が出ない)

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 54号 底面カバーパネル アクリル製(最悪無くても良いけで雰囲気が出ない)

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 55号 調整用部品 (調整マニュアルが特に重要)

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