中野島ロボット

小さなロボットの自作記事を書いています。

週間中ロボ89 Arduino Nano Every 日本でも販売開始 ちょっと手こずる

はじめに

Arduino Nano Every がやっと日本でも販売開始になりました。
これまでは、部品業者から輸入する必要がありましたが、遂に日本でも普通に購入する事ができるようになりました。 

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ついに
2020年1月6日 秋月電子さんで取り扱いを始めました。

akizukidenshi.com

Arduino Nano Every: マイコン関連 秋月電子通商-電子部品・ネット通販

価格は1500円です。現在の為替レートと店舗の利益を考えれば妥当な値段だと思います。

  

すでに 
中野島ロボットでは、昨年購入して評価して、これからはこれだな~と思っていたんですが、実はちょっと手こずっています。
過去の簡単な評価はこちらから 

www.nakarobo.com

たしかに、添付のライブラリでLEDを点けるくらい動かす程度だったらArduino Nano(Old) と同じよう使う事ができるのですが、サンプル以外のスケッチは動かない場合が結構あります。

 

Arduino Nano Every に手こずる 
開発中のArduiroid One のスケッチを、Arduino Nano Every に移植しようとしましたが、 コンパイルエラーが結構出ました。

1. Sarvo.h が無い
今は直っていますが、一時期 Sarvo.h が無くなっていました。これではロボットが動かせません。

2.温度と電源電圧が測れない
MPUの内部のレジスタを使って、温度と電源電圧を測るコードでもエラーが出ました。レジスタの名称やアドレスが変わっているようです。そもそも新しいMPUにその機能が無いのかもしれません。

3.EEPROMが少ない
唯一Arduino Nano Every になって、能力が落ちているのがEEPROMの容量が1KByteから半分の512Byteになっているのところで、でエラーが出ました。ロボットの場合はここにサーボモータの補正値やユーザ定義のモーションを記憶させたり、赤外センサカメラの場合はここに画像を溜めていたりしましたが、エラーも出さずに異なる動作になったりします。

考察
意外と外部のスケッチは Arduino Nano Every 用にIDEやスケッチ自体がバージョンアップされないと、動かないものがあると思います。

 

 Arduino Nano Every 手強い
スケッチをコンパイルすると、エラーが出たり、警告が出たりでかなり苦戦しました。コンパイルに成功した後も以下の様な症状がでました。

1. USB接続が安定しない
新しくWindows7からWindows10に変更したPCだと、なかなかArduino Nano Every を接続しても認識したり、しなくなったりしました。何度もWindows10のドライバーを入れ替えたり、Arduino IDEを最新化したりして、いつの間にか繋がるようにはなっていますが、原因は特定できていません。

2.スケッチの転送にすごい時間がかかる
Arduino Nano Every になって、スケッチの転送速度も上がっているはずなのですが、スケッチの転送にすごく時間がかかる時があります。失敗する訳ではないのですが、なぜかは判りませんがすごく時間がかかります。

3.シリアルモニタやシリアルプロッタ―を使うと無応答になる
今回USBシリアル変換チップが変更になっており、Windows10 との相性からから、死シリアルモニタやシリアルプロッタ―を開いたまま、次のスケッチを書き込んだりすると、PCを再起動しないとArduino Nano Every を認識しなくなったりしました。
これはスケッチの転送前に、毎回シリアルモニタやシリアルプロッタ―を閉じれば回避できます。

4.Windows ストア版はダメ
Windowsストア版のArduino IDEは最新でないので、Arduino Nano Every はダメです。現在の最新版は 1.8.11 ですが、Windowsストア版は1.8.9 ではArduino Nano Every は上手く動きません。

考察
まだ、Arduino IDE側も、Windows側のドライバも追いついていないようです。中野島ロボットではWindowsストア版を使用していたのですが、Arduino Nano Every を使用する場合は、現在は通常インストールの最新版を使用した方が良いと思います。
う~んなかなか手強い。

  

おわりに
ひとまず日本でArduino Nano Everyが普通に入手できるようになったのは大きいとおもいます。ただし直ぐに使うには難しい部分もあります。このところ、Arduino IDE やライブライも頻繁にアップデートされていて、日に日に良くなってるので、時間があれば、あるいは時間が経てばどれも徐々に解決すると思うのですが、開発環境が安定するにはもう少し待った方が良いかもしれません。 
今は Arduinoroid One のリリースに向けて開発中だったので、急遽コントローラーをArduino Nano Every からArduino Nano (Old) とPololu の Minimaestroに変更することにしました。

 

おしまい

 

追加情報
2020年1月29日 スイッチサイエンスさんでも取り扱いが始まりました。

www.switch-science.com

Arduino Nano Every(ピンヘッダ付き) - スイッチサイエンス

こっちも1500円です。
もう直ぐAmazonでも購入可能になると思います。