中野島ロボット

小さなロボットの自作記事を書いています。

週刊中ロボ71 「イチジク」ロボットの制作 その11

夏休み工作のアイデアは自分で考えるのが基本ですが、「イチジク」で何ができるか考えてみます。

  

MINERVA-II2を参考に

「MINERVA-II2」は、東北大学が中心となって開発したJAXAの「はやぶさ2」に搭載されている探査機(ローバー)です。特に微小重力下の移動方法の技術確認用に、色々な移動手段を搭載しています。  

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その4 永久磁石を用いた内部衝撃型移動機構

単的に言えば、二つの磁石の間に置いた磁石がどっちにくっつくかという話。まず磁石を三つ用意します。両端に固定磁石、真ん中に可動磁石を置くと、どちらかに吸い付くはずです。それを強引にモーターでくっついている側から磁石をはがして行くと、丁度真ん中を超えた時に、急激に反対側に吸着するはずです。この時の力衝撃で”エイ!”と跳躍するようです。
重力が少なかったり、地面との摩擦が少なければ、それなりに動けるかもしれません。

 

効率はいいのか

この方式は電気回路の他に磁気回路も必要となり機構も大がかりで複雑になります。これってエネルギー効率はどうなんでしょうか。高電圧の電磁のプランジャで”エイヤ!”と一気に引っ張ったり、電気を溜めておいて、一気に強力なモーターを短時間に動かしたり、ばねを引き付けてびよ~んと離しても同じように跳躍すると思います。

この方式のメリットを考えると、少ない電気エネルギーで磁気に打ち勝って、強い衝撃力を出せる構造が作れることでしょうか。

たとえば「イチジク」のSG90サーボモータの駆動速度は60度/0.1秒ですが、これで真ん中の重りを動かして、磁力の強さで一気に衝撃を加えた場合は、当然磁気の強さや機械的な抵抗もありますが、これよりも十分強い力が発生するでしょう。

 

追加で

磁石が必要となりますが、使うとしたら強力なネオジウム磁石を三つか四つと重りでしょうか。もしかしたら真ん中の重りは、磁石じゃ無くても鉄でも良いかもしれません。ただこの方法って、力の制御が難しいと思います。

また、この機構を実現するには磁石を入れておく構造が必要になります。磁石を動かすのはSG90サーボモータにサーボ―ホーンを付けて、真ん中の可動部分を磁気回路の真ん中から超えさせれば良いようです。

 

「イチジク」で実現するには

「MINERVA-II2」の磁気回路は直線状に構成されていますが、3Dプリンタがあれば簡単に作れそうですが、それが無いとちょっと難しいかもしれません。円運動で作った方が楽かもしれません。つまり中心軸を作りそこから振り子構造にしてその先端に中心の磁性体を取り付けます。その振り子の円周上に磁石を取り付けます。そしてその振り子をSG90サーボモーターのホーンを使って押せば実現できそうです。

これなら磁気や衝撃強度の調整を磁石の固定位置や振り子の腕の長さで決められます。

 

ちょっと言葉の解説では判り難いので絵を書いておきます。

 

つづく