ちょっと気になるSG90のクローンサーボモータを見つけてしまいました。特徴は黒のケースと 一部金属ギアを採用していること。
動作確認
MS18サーボモータをArduino Nanoに繋げてsweep.ino スケッチを使い 動作を確認して行きます。
回転角度
sweep.inoスケッチの標準のまま使うと、SG90とほぼ同じ角度まででした。160°くらいで使う分には問題ないでしょう。
さらに回るかスケッチを修正して回してみます。
PWM方式で設定し、中心のパルス幅は1500μsec、900~2100μsecで±60°、つまり120°の駆動を行います。
(2100-900)÷120=10(μsec/°)
1°あたり10μsecなります。90°駆動するには、900μsecのパルス差が必要です。
1500-900=400 0°
1500+900=2400 180°
に設定すれば、180°振れることになりますが、実際には回転角の指示値との誤差が端に行く程大きくなるので、実際の数値を変えて確認してゆくことになります。
Servoライブラリの初期設定時にattach(9,400,2500) とすれば、きっちりストッパまで回るようです。つまりMS18を180°以上回すことができました。
ストッパにあてたままにしておくと、電流が多く流れて発熱して壊れてしまうので、実際に使用する時は適当な所に設定します。そうattach(9,450,2450)くらいでしょうか。
全数確認
10個全てが正常に動作しました。 動作音は静かで、駆動角度のばらつきは殆ど無いと思います。
速度
カタログ上の駆動速度は、
動作速度(負荷なし)0.09±0.01秒/ 60°(4.8V)
となっていますが、純正のSG90(0.1秒/60°)よりも若干遅いようです。
計測した訳ではないのですが、SG90と同等な駆動速度は期待しない方が良いと思います。
一番の違いはトルク
計測した訳ではありませんが、TowerProのSG90に比べると、明らかに弱いと思います。カタログでは
ストールトルク(ロック時)2.0±0.20kg・cm(4.8V)
とありますが、1.8㎏・cm(4.8V) の純正のSG90と比較して、明らかに弱いと思います。指でロックさせたときの感覚なので、正確ではありませんが1.4㎏・cmくらいしかないように感じました。もしかしたら今のTowerProのSG90(デジタル)の方が 2.1kg・cm位出ているのかも知れません。
ただ、他のSG90クローンと同等のトルク感はあります。
制御タイミングが違う
SG90は信号をオフにしても、その角度を3~4秒間維持しますが、MS18は直ぐにオフになってしまいます。なので、SG90の場合は支持を出してすぐにdetach() すると指定の角度まで回らないかもしれません。どちらが良いと言う訳ではありませんが、SG90の動作を想定したプログラムだとうまく動かない場合があります。
おわりに
TowerProの純正SG90の代わりに使えるかと思って期待して20個も購入してしまいましたが、性能的にはちょっと残念な結果です。音は静かですが、ケーブルも細いし、ホーンも薄く、トルクも細いので、ちょっと二足歩行ロボットの脚部にSG90の代わりには使えないと思います。四足歩行ロボットではトルクの無さが気になります。電圧を上げて6Vで使う必要があるのかもしれません。
この価格と軽さ、動作の正確さ、金属ギアによる耐久性(評価していないので期待値です)がMiuzeiのMS18マイクロサーボモータのメリットなのかもしれません。SG90クローンとしては一番優秀です。いつか正確に回転速度とトルクを計測してみたいですね。
おしまい
購入品情報
やはり純正には敵いませんでした。☆☆☆☆★ です。
(!)1300円の方は黒じゃないものが届きました。問い合わせ中です。
追記:青いのと黒いのがあるようです。黒いのを送ってもらいました。
二足歩行ロボットを作るのであれば、足はやはりTowerProの純正SG90ですね。