中野島ロボット

小さなロボットの自作記事を書いています。

週刊中ロボ25 「3D Builder」 アップデート!新機能紹介(その2)

つづき

中野島ロボットで使用している、Windows10に標準搭載されている3Dモデリングアプリ「Microsoft 3D Builder」の新機能の紹介です。

 

新機能2 オブジェクトがカスタムできるようになりました。

これまで、3D Builderでは、立方体とか円柱とか、球といった単純なオブジェクトモデルしか標準で用意されていませんでしたが、今回「挿入」メニューに「カスタム」オブジェクト機能が追加されました。

f:id:nakarobo:20181006140255p:plain

 

今までは、最初から用意されているオブジェクトが単純な形状なのに、円柱とか球のモデルは、結構細かいポリゴン(三角形の平板)で構成されていて、見た目はスムーズで綺麗なのですが、いざ3Dプリンタのモデリングで使うとなると、球や円柱が無駄に細かいとモデルのサイズが過度に大きくなってしまったり、印刷に時間がかかるようになったり、編集が上手くいかなかったりします。

今回追加された「カスタム」オブジェクト機能では、立法体、球、円錐、トーラス(ドーナツ型)、円柱と言ったシェイプ(形状)のメッシュ(ポリゴンの数)が自由に選択できるようになっています。

 

特に有用なのが、「円柱」シェイプです。

f:id:nakarobo:20181006125848p:plain

円柱と名前がついていますが、円柱の円周方向の分割数を選択できるようになったので、何角柱でも作成することができる万能角柱生成機能なのです。今までは四角柱と、円柱、六角柱しか用意されていませんでした。

 これの何が便利かと言うと、8角柱とか10角柱が作れるところです。2mmであれば、8角柱で、3mmであれば10角柱で造形しても、積層型の3Dプリンタの精度が0.2mm程度なので、無駄に細かくならず、綺麗な穴を開ける事ができるのです。

いままでは、他のソフトで作ったモデルをインストールしたり、既存のモデルを貼り合わせて作っていましたが、これからはこの機能で必要な精度の図形を簡単に作る事ができるようになります。

特に中野島ロボットでは、3Dプリンタでは小さなロボットの部品しか作らないので、そんなに細かいポリゴンを必要としない場合がほとんどなので、綺麗なモデルが印刷できるようになるのです。

 

では「円柱」シェイプ以外も見て行きましょう。

 

「立方体」シェイプ

立方体は、逆にポリゴンの数を増やして、「丸み」を付ける事ができるようになっています。

f:id:nakarobo:20181006132239p:plain

これがあるとよりスムーズな形状のケースが簡単に作れます。いままでは、四角形の角を落とすのに分割機能で分割して削って行くか、他のオブジェクトと「型抜き」機能を使って演算させる必要がありました。

「くぼませる」機能と組み合わせると、スムーズな形状の箱が簡単に作れる様になっています。

 

「球」シェイプ

球シェイプも球の複雑度が選べるようになっています。

f:id:nakarobo:20181006132812p:plain

球も中抜きしたりするのに良く使用しますが、精度が選べるようになったので、中抜きするときは粗いモデルで行い、表面は細かいモデルで行うなどの調節が簡単にできるようになりました。

3Dプリンタの機種によっては、曲線が苦手だったり、曲線だと無駄に造形に時間がかかったり、ヘッドの移動速度が不安定になって造形が乱れたりしますが、3Dプリンタの特性に合わせたモデル形状を選ぶことで、造形速度と品質の向上が期待できます。

 

「円錐」シェイプ

円錐シェイプも複雑度が選択できるようになっています。f:id:nakarobo:20181006134133p:plain円柱シェイプと同様に、緯度と経度により複雑度をコントロールすることで、万能「角錐」生成ツールになっています。

4角錐にしてピラミッド型や6角錐にして6角柱の先端部分を生成したりすることが、簡単にできるようになりました。

円柱や円錐には「ディビジョン」というオプションがありますが、これは底面に使うメッシュの細かさの指定ですが、通常の使い方であれば1で良いと思います。

この形状の底面を演算する場合には、ある程度の細かい「ディビジョン」を指定しておいたほうが、演算後のつなぎ目が綺麗になりなす。

ちなみに「ディビジョン」とは「分割」の意味で、底面を何分割しますか?という事のようです。

 

「トーラス」シェイプ

トーラスシェイプは精度だけでなく、外径と内径が選択できるようになっています。 

f:id:nakarobo:20181006132114p:plain

中野島ロボットでは余りタイヤ形状は使わないのですが、これとTPUフィラメントがあれば、自由な大きさのタイヤやゴムバンド、Oリングなどが造形できるようになります。

指輪などのリング形状のアクセサリーも、作りやすくなっていると思います。

もちろん、自分の好きな形状のドーナツフィギュアも簡単に作れるようになっています。

  

まとめ

大きな機能追加はこの二つだと思いますが、3Dプリンタ使いにとってはすごい進歩で、まさに神アップデートです。Microsoftさんにはこれからもサポートを続けてもらいたいと思います。

 

つづく

次回はその他の変更点を見て行きます。

 

購入品情報

今回の大幅機能追加によって、TPUフィラメントの用途が拡大しました。

特にOリングなどは、もう当分買う事はないかもしれません。