中野島ロボット

小さなロボットの自作記事を書いています。

6日でできる! 吉野式ロボット はじめに(1/2)

はじめに

・吉野式ロボットとは

吉野耕司さんがHP(吉野のロボット)上で報告した二足歩行ロボットで正式な名前は「吉野のロボット Pen4号」 と言うようですが、ここでは吉野式ロボットに略しています。 吉野式ロボットは、プラ板と模型用のサーボモーターを使ったシンプルな構造のロボットで、板金加工や特殊な部品を使用しない作りやすいロボットとして紹介されています。

・本にもなった
吉野式ロボットの制作過程は「60日でできる!二足歩行ロボット自作入門」という本になっています。 書店で最初にその本を目にした時は、機体のあまりの無骨さから余り興味を覚えず、購入にはいたりませんでした。

ある時ネットで肩を怒らせすたすた歩く姿の動画を見て、まるでヤッターマンのトンズラーか、ローランドゴリラのようで、これがこんな簡単な部品で作れるのかと驚かされ、電子書籍化された時に購入しました。

吉野式ロボットの特徴は、パラレルリンク機構の脚部と、ジャイロを搭載し、骨格、筋肉、バランスをコンパクトにまとめた作りで、動歩行を実現している所にあると思います。 また、なにより素晴らしいのは、入門用の二足歩行ロボットとしては足が長くスタイルが良いことです。

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・今から作るロボットのコンセプト
今から作るロボットも、骨格、筋肉、バランスの基本設計は吉野のロボットのPen4号と同じです。 違うところは、素材を換え、現在入手できる部材に換え、歩行以外の機能をバッサリ削ったものとなっています。 足のパラレルリンクの幅を狭くして、肘のモーターを除いたことで、前から見ると足が細く見えるようにデザインしています。

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モーターと軸の配置は横から見ると、ほとんど変わりがありません。腰の前後軸と肘の軸をオリジナルから省略しました。

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機体に比べて頭部が大きいのは、超音波距離センサーのサイズに合わせたこともありますが、秋月電子のD基板が入ることや他のセンサーが格納できるように大きくなっています。 接着剤は極力使用せず、タミヤのミニ四駆のM2ねじで組み立てて行きます。 電源として、単4型の1.2V のニッケル水素充電池を4本使い、電源周りの難しい法律や発火問題をクリアしています。

 

・機体サイズについて
机の上で動かせる大きさで、親しみのわくサイズとして、約20cmの機体を目指してデザインしています。

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日本人の成年男子の平均身長は170cm程度ですが、これを1/10したサイズを目指しました。 つまり自分の動きを計って、1/10 にすれば、このロボットの世界になります。

ロボットの動ける範囲を、210ミリ×297ミリのA4のコピー用紙サイズだとすると、10倍にすると、約2m×約3mとなり、4畳のサイズになります。つまり人間の世界にすると、4畳の部屋に住んでいるロボットと言うことになります。

角度はどちらの世界でも同じです。 ロボットのサイズは大きくなると重くなり、それを動かすために大きなモーターが必要となり高価になりますが、20cm位の機体だと、300gで実現でき、一個500円以下の安価なラジコン用サーボモーターを利用しても歩行させることができます。

 

・このロボットのできないこと
Pen4号との一番の大きな違いは、サイズとデザインの制約から腰の前後軸を削ったため前屈できず、前に転んだら自分で起き上がる事ができません。 (モーションを作って、なんとか起きようとしているのですが、なかなか成功していません。この辺はそのうち機械学習でどうにかできないかと考えています。)

 

(つづく) 購入品 電源はニッケル水素充電池単四形を4本使います。 二時間程ロボットを駆動できるので、急速充電器と電池が二セット(8本)あれば一日中遊べます。