中野島ロボット

小さなロボットの自作記事を書いています。

週刊 idbox!のプチ改造 No.5 Z軸の調整

はじめに
Z軸天板を3Dプリンターでプリントした部品に入れ替えます。

必要レベル ★★★★☆ 概算 0円(樹脂代除く)~1650円
そもそも普通にidbox!を組み立てると、Z軸天板は割れてしまっているはずなので印刷した部品と交換する必要があります。

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もし割れていないとしたら、エクストルーダーが浮いているか、Z軸天板が浮いて取り付けられているはずです。
エクストルーダーが浮いている場合は、短期的にはエクストルーダーが多少ガタつくだけなので問題は発生しませんが、将来的にネジが緩んで落ちる可能性があります。 Z軸天板が浮いている場合は、Z軸が背面パネルから少し浮いていることになるので、ベッドが少し斜めに動くことになります。
いずれにしてもZ軸の調整にはZ軸天板を作り直した方が良いと思います。


新しく
idbox!用のZ軸天板を以下の条件に注意して、元の部品を参考にモデリングします。

1.干渉してしまうエクストルーダーの下側の逃げを作る。
2.Z軸リニアロッドの取付穴の中心が、背面パネルから 25mm になるようにする。
3.Z軸リニアロッドの取付穴径は 4.2mm とする。
4.Z軸天板の厚さは、6mmとして背面パネルの取付は5mmとする。
 (!) 厚さは5.5mmと言う説もある。

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注意) ネット上からZ軸天板の部品をダウンロードして使用するには、BS01 のものや、エクストルーダーの逃げの無いものもあるので、かならず上記の条件に合致している部品を探すか、必要であれば自分で修正して下さい。
この作成例のモデルも Thingiversに 上げておきますので、自分で調整してみて下さい。 https://www.thingiverse.com/thing:2783955

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手順
1. Z軸天板をモデリングし、Z軸天板をプリントする
 注意)idbox!でプリントする時にはX,Y軸の造形サイズ調整を必ず行って下さい。

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(このモデルでは、Z軸天板のゆがみを嫌って、リードスクリュー(ボールねじ)の穴を切り欠きでなく、丸穴にしています。)

2.新しいZ軸天板をとりつける
元から付いているZ軸天板を取り外し、プリントした新しいZ軸天板を取り付けます。

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3.Z軸の取付ネジを固定する
Z軸の取り付けネジの中心が、四つとも背面パネルから同じ距離(25mm)になるように固定します。

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4.ベッドの高さを調整する
Z軸を一旦外したので、ベッドの高さを微調整します。 解説 オリジナルのZ軸天板のリニアロッドの止め穴は、長穴になっており微調整ができるようになっています。 また、底面パネルの穴は4.5mm径ですが、天板パネル穴径は4.8mmで、0.3mmのずれが発生します。 そして、底面パネルの穴の中心は、天板パネルか24mm、底板パネルが25mmとずれています。 合わせると、1.3mm以上のずれが発生する可能性があります。
注意)idbox!の組み立て説明通りに、Z軸リニアロッドを押しながら組み込むと、絶対にこの状態になります。 これではZ軸が背面パネルと平行になりません。ここが平行でないと、背の高い造形物は少しずつ斜めに造形されることになります。 (といっても10cmの高さのものを造形して、1mmちょっとなので、気にならないかもしれません)

Z軸の固定方法ですが、まずZ軸天板側をZ軸リニアロッドを ”手前に引きながら” 固定し、次にidbox!を ”立てた状態で”、Z軸を手前に引きながら底板側を止めます。つまり、重力でリニアロッドを垂直にした状態で、穴の前面にZ軸のリニアロッドの面を合わして固定します。 背面パネルから、ねじの中心が25mmになっていることを確認します。 Z軸天板のプリントはPETGかABSフィラメントが良いのですが、まだヒートベッドが付いていないのであれば、高強度PLAフィラメントを使っても良いでしょう。

 

まとめ
このプチ改造では、垂直ロッドを最初に天板に固定し、底板で調整するので、Z軸のずれがほとんどなくなります。 最大でも穴径の違いの0.12mmがずれるだけになり、当初の1/10の精度に調整できることになります。 このプチ改造で、idbox!のZ軸のずれがほとんどなくなります。あースッキリ!

 

Z軸天板を上手く印刷できない人は、ここから購入可能です。

make.dmm.com

 

購入品情報

メモ 高強度PLAフィラメントは、「硬いが脆い」、「低い温度で変形する」といったPLAの欠点を補うために、添加剤を追加した素材です。しかし、PLAフィラメントの角のきれの良さとか、造形テーブルへの定着の良さとか、反らないといった良い特徴を多少犠牲にしています。 そのため、第一層の造形速度を遅めにするとか、ブリムやラフトをつける等の調整が必要になります。 高強度PLAフィラメントは、PLAでは無いと思って造形する必要がありそうです。