つづき
機械部品の入手方法と購入先の情報をについての続きの説明です。
(!) ()は検索キーワードです。
¥0は3Dプリンターで印刷した部品を使った場合で、別途フィラメント代がかかります。
6. GT2ベルト+プーリーセット(GT2) \600~\1000~\1800
リニアロッドのキャリッジを動かすための、樹脂ベルトとモーターにつける歯車(プーリー)のセットです。ベルトは各辺、80cmくらくぃ必要なので、3M分と、プーリは各モーターにひとつづつ、都合3つ必要です。
ベルトはタイミングベルトとも呼ばれて、いろいろな規格のものがあるのですが、3Dプリンターで最もよく使われている、GT2という規格の幅6㎜のベルトを使います。
別々に買う方より、セットで買う方が安かったり、長さが長い方が安かったりしますので、良く探してみて下さい。
なお、プーリーはGT2 20歯のものを使用しますが、3Dプリンターで印刷したものを使用することもできます。
(ここなら、最安で一個\80なので、余程の事がないなら購入した方が良いと思います。)
7. リニアベアリング(LM6UU、LM6LUU) \0~\1000~\1800
ロッドにとおして垂直キャリッジに固定し、ロッドをガイドにして直線状にスムーズ動かすための機械部品です。中に小さい鋼球(ボール)が沢山並んでいて、そのボールがコロコロ回ることで、少ない抵抗で垂直にキャリッジを動かします。
ロッド一つにひとつ必要なので、合計度6つ必要になります。
LM6UUかLM6LUUのどちらかを使用します。LM6LUUは長さが長く、少し動きが安定しますが高価です。(LM6UUでもきちんと組付ければ造形にはほとんど影響しませんでした。)
取り付け時には動きをよくするために内部のベアリングにグリースを塗り、表面にも錆止めのオイルを塗っておきます。
リニアベアリングは、最悪無くても3Dプリンターで同じ形を印刷し、潤滑オイルを塗れば代用できます。しかし、抵抗が一定せず、ガタも生じやすく、モーターにも負荷がかかるので長期の使用には向きません。
(最初は3Dプリンターで印刷していたものを使用していました。)
8. ミニチュアベアリング(624ZZ) \0~\300
ミニチュアベアリングは、天板側のタイミングベルトの折り返し部分に使用する幅6mmのベアリングで、各軸に使用するので3個必要です。
ミニチュアベアリングはホームセンターにも売っていますが、1個で\1000以上します。
通販なら624ZZなら10個で\300くらいから購入できます。。
精度や材質も違うと思いますが、これは通販サイトで購入しましょう。
ミニチュアベアリングも、最悪無くても3Dプリンターで同じ形を印刷し、潤滑オイルを塗れば代用できます。ただし、力のかかる部分なので、キキーと耳障りな音が出たり偏芯すると、垂直キャリッジの動きが悪くなったりするので、できるだけミニチュアベアリングを購入して使用しましょう。
軽く回れば良いので、固定できるのであれば、幅6㎜の他の型番のベアリング (625ZZとか)でも代用できます。
9.ネジ 1,000円位
ネジは意外と高価な部品です。ネジの材質は鉄のメッキかステンレスが必要です。真鍮・ニッケルメッキのものは柔らかいので使えません。
(どうしても見つからなかったら、M2ネジだけは真鍮・ニッケルメッキで代用可能です。)
以下に一覧を表示します。
M4×20㎜×3 ミニチュアベアリング止めるためのネジです。
M3×20㎜×12 トップとボトムのビームを固定するためのネジです。
M3×15㎜×6 ステッピングモーターを固定するためにネジです。
M3×10㎜×12 垂直ロッドを固定するためのネジです。
M3×15㎜×2 ヘッドをプラットフォームに固定するためのネジです。
M3×10㎜×1 冷却用ファンをプラットフォームに固定するためのネジです。
M2×15㎜×12 ロッドを固定するためのネジです。
M2×10㎜×24 ユニバーサルジョイントを固定するためのネジです。
M2×10㎜×2 ヘッドを固定するためのネジです。
(何個か忘れているかも・・・気付いたら追加します。)
ネジは普通にバラで買うと意外と高価なので、100円均一で探したり、ホームセンターで探したり、ネジセット買ったりして安く上げる工夫が必要です。
M2ネジはタミヤのミニ四駆のものも流用できます。無くすことも考えて少し多めに用意しておいて下さい。
機械部品は以上です。次回は電気部品の購入とします。
機械部品だけで約¥10,000程度かかりますが、今回紹介した部品が3Dプリンターを動かす為の最低レベルと考えています。
一時話題になった$100(\10,000)以下の3Dプリンタ-はレビューを見ると、機能や性能がいまいちだったり、資金を集めておいて撤退したりしていますが、これは、無理に機械部品を薄くて小さなものに変えたり、非力なモーターを使ってコストを抑え過ぎてしまったためだと思います。
激安3Dプリンターは、小さく安いモーターを使っているものが殆どですが、この場合専用のフィラメントが必要だったり、十分な造形速度も造形精度も出せないと思います。
3Dプリンターのキットはかなり安くなりましたが、3Dプリンタ-の部品は既にすごく安くなっているので、これ以上のコストダウンは難しいと思います。
RostockNano(仮称)は、機械部品も電気部品も普通の3Dプリンターのもので、コストダウンは精度と速度のバランスを取って決めているので、少し値段は上がっていますが、idbox!と遜色ない造形が可能です。
また、部品は参考にした RostockMiniと同じ部品なので、機体を大きくしたい場合はほとんどが流用可能です。
なお、3Dプリンターの部品は中国から発送されるものが多いので、注文してから届くまでに1~2週間程かかりますので、早めに注文して気長に待ちましょう。
一番高価な機械部品は、ステッピングモーターになりますが、これは中古や新古品を探せば安く手に入る場合があります。
(秋月電子通商、オリジナルマインド、FA機器.COMなら、一つ1000円以下で入手できる可能性があります。)
メモ
・3Dプリンタ-の機械部品は、ほとんど通販サイトで購入できる。
・ステッピングモーターは、指定のサイズを必ず購入する。
・一時的な使用ならベアリングやプーリーは3Dプリンタで印刷してコストを抑えることができる。
・ネジは意外と高価なので、ホームセンターの方が安いかもしれない。
用語集
ヘッド(ホットエンド):ロッドで支えられた、樹脂を溶かしてノズルから押し出す部品
垂直キャリッジ:ベルト駆動されたロッドを動かす部品
エクストルーダー:樹脂ををヘッドに送るための部品
リニアベアリング:スムーズな直線運動をさせるための円柱状の機械部品
ステッピングモーター:一定の角度(ステップと言う)で回転させたり、その場で保持したりすることができるモーター
購入品
LM6UU リニアベアリング
LM6LUU リニアベアリング
624ZZ ミニチュアベアリング