Rostock Nanoとは
Rostock Nanoは、Reprapプロジェクトのデルタ型3DプリンターのRostockをベースにした小型、軽量の3Dプリンターです。
最初は、Rostock Mini を75%に縮小したものから始めて、日本で一番多い(と思われる)デアゴスティーニの3Dプリンター「idbox!」(ビルドボリューム 150mm×130mm)を使って作ることができるように改良した、小さなデルタ型の3Dプリンターです。
Rostock Nanoの仕様
サイズ 横25cm 高さ43cm 重さ2.8Kg
電源 12V 5A 消費電力 40w(造形時)
ビルドボリューム 直径13cm 高さ16cm
ノズル 0.4mm
印刷精度 0.2mm ( 0.1mm~0.3mm)
印刷速度 50mm/s (最大 100mm/s)
移動速度 75mm/s (最大 120mm/s)
インフィル 75mm/s (最大 120mm/s)
フィラメント PLA、PETG、TPU
ビルドボリュームは小さいですが、性能も造形精度も調整を行えば、親になった3Dプリンターと同程度の精度を出すことが可能です。
Rostock Nanoの改良点
Rostock Nano は Rostock Mini を縮小だけしただけでは無く、少し改良を施しています。
- 大幅に3Dプリント部品を増やしています。
- ロッドを補強してより精度を出せるようにしています。
- 低コストで作る事ができるようにネジを小さく、少なくしています。
- 今後の改良を考えて部品をあえて分割形式にしています。
しかし、モーターやホットエンドは多少高価でも、オリジナルと同じNEMA-17ステッピングモーターとJ-Head V6 を使用しています。
Rostock Nanoを設計した理由
安価な3Dプリンターが子供用や入門用として出回っていますが、非力なモータや華奢な部品を使用していては、まともに印刷することはできないと思います。
中学生の技術家庭科の知識と技能で作ることができ、海外のキックスターターに頼ることなく、15,000円程度(中古のステッピングモーターを使えば10,000円以下)で作る事が可能な、本物のデルタ型の3Dプリンターとして設計しました。
安くなった3Dプリンターを購入するのも良いと思いますが、近くに3Dプリンターが利用でき、腕に自信があるならぜひRostock Nanoを自作して見て下さい。
Rostock Nano の情報公開
Rostock Nano の設計情報は、以下のサイトで公開しています。
モデルデータ https://www.thingiverse.com/thing:2764097
製造マニュアル https://www.thingiverse.com/thing:2814219
+Marlin ファームウェア
YouTube https://youtu.be/-S_H4XMaABk
Rostock Nano について
日本のモノづくりが廃れないように、メカトロニクスの入門機としてオープンソースで作ってみました。
「オリジナルマインド ものづくり文化展2017」にRostock Nano(仮称)として応募し、設計情報を公開しました。
FabLab Setagaya at IID賞を頂きました。
Rostock Nano の今後
Rostock Nano の設計ツールはWindows10標準の 「3D Builder」なので、改良するために高価で難しいCADソフトは必要ありません。オープンな 3mf 形式でモデルを公開しているので、だれでも自由に改造する事が出来ます。
冷却ファンのノズルを綺麗に造形できれば、直径は14cmぐらいは行けそうです。
樹脂製のヘッドを金属加工で綺麗に造形できれば、ビルド高さはあと2cmは高くできそうです。
プラットフォーム(真ん中のヘッドをつけている場所)やユニバーサルジョイントを金属部品にする等工夫すれば、ガタも無くなり印刷精度も印刷速度も上げられそうです。
使用した加工機械
初号機 JGAURARO A3 2016年
二号機 デアゴスチーニ マイ3Dプリンター idbox! 2017年
三号機 Rostock Nano(ビームとロッドは idbox! ) 2018年
(現在稼働中は二号機と三号機です。)
使用部品
ステッピングモーター、リニアベアリング、GT2ベルト、ベアリング、ホットエンド